
【画像&写真付き】口角炎とヘルペスの違いって何?その治療は?
最近疲れが溜まっているな~、と思っていたら口元に痛みが!もしかして口角炎?しかし、口角炎によく似た疾患にヘルペスもあります。では、一体この2つの症状は何がどう違うのでしょうか?詳しく解説します!
1人の医師・医学生がチェック済み
口角炎とは?

口角炎とは、名前の通り口の両端である口角が炎症を起こし、切れているように亀裂を生じることです。
口を開けると痛みを伴い、発症している間は食事を摂るのも一苦労します。
また、治りかけた時に無理に開けてしまうと、また患部が広がってしまい、長期的に治らないといった悪循環に陥ってしまいます。
原因
口角炎の原因は複数ありますが、最も多いのがカンジダによる感染とビタミン不足です。
カンジダ

口角炎となる原因の大半はカンジダによる真菌の感染になります。
カンジダはカビの一種で元々人の肌に住んでいる常在菌になります。
しかし、ストレスや疲れが貯まると免疫力が低下してしまい、カンジダが増殖してしまいバランスを崩してしまいます。
カンジダは水分が多い場所を好んで繁殖するので、口角は唾液などで湿っているため絶好の繁殖ポイントとなります。
その為、口角炎を発症してしまうのです。
ビタミン不足

もう一つの原因として、ビタミン不足が挙げられます。
皮膚の健康を保つにはビタミンは必要不可欠です。
特にビタミンB2やビタミンB6は皮膚の炎症を抑えたり、皮膚のバランスをとっていたりするものなので、これらが不足してしまうと口角炎を引き起こしてしまいます。
偏った食事は免疫力を低下させてしまったり、消化器官が弱ってしまったりするので、肌にいる菌のバランスが崩れて口角炎を発症します。
症状


口角炎の症状
・口の端に炎症を起こし、亀裂を起こす
・かさぶたになる
・強い痛みがある
・出血ることがある
口角炎は口角の炎症を起こした場合に出血したり、かさぶたになったり、白い点状になることもあります。
治すための近道は、かさぶたを剥がさないことになります。
ヘルペスとは?

ヘルペスとは口唇炎と言われ、口の周りや唇などの一部が赤くなり、小さな水疱ができます。
大体2週間程度で水泡からかさぶたになり、自然に治ります。
原因
単純ヘルペスウィルス1型

ヘルペスの原因となるのは、ヘルペスウィルスになります。
ヘルペスウィルスは多くありますが、口唇炎を引き起こすヘルペスは単純ヘルペスウィルス1型になります。
基本的には接触感染で、元々ヘルペスウィルスを持っている人が持っていない人に何らかの形で接触することで、感染をしてしまいます。
しかし、感染しても大抵の人は無症状で過ごしています。
疲れなどから免疫力が低下した時にヘルペスウィルスが増殖し、攻撃し始めることでヘルペスになります。
症状


口唇炎の症状
・ピリピリとした痛み
・患部のかゆみや痛痒さ
・水疱ができる
・赤く腫れる
まず最初に口の周りや唇に違和感があったり、むずむずとした違和感があります。
その後、赤くなり水疱ができます。
水泡同士はくっついて大きくなったり、腫れが酷く口の周りが腫れ上がったりすることもあります。
口角炎とヘルペスの違いは?
実際に自分が発症しているのがヘルペスなのか、口角炎なのか知りたいですよね。
では、写真で違いを見比べてみましょう!
原因の違い
原因は根本的に異なります。
口角炎はカンジダによる感染が原因で起こるのに対し、ヘルペスは単純ヘルペスウィルスが原因で起こされます。
症状の違い


↑
こちらがヘルペスです。


↑
こちらが口角炎です。

いかがでしょうか?
症状の違いとしては、ヘルペスは口の周りや唇に水疱ができるのに対して、口角炎は口の両端(口角)が切れたように炎症を起こす状態になります。
画像を見比べてもわかるように、ヘルペスは口全体のどこにでも出来ますが、口角炎は口の端しか出来ません。
症状をしっかり理解していれば、見分けることは比較的簡単です。
人に移るのか?

口角炎は人に移ることはありません。
しかし、ヘルペスは人への感染はあります。
自分が使ったものに他人が触れた手で口などを触ると、感染してしまいます。
また、飲み物や食事でも箸や食器は共用しないようにしましょう。
まとめ

口角炎とヘルペスはよく似た症状で、免疫力が低下した時に発症するというとても似通った特徴もあるので、症状などをしっかりと知っていなければ、見分けがつきにくいかもしれません。
しかし、症状は似ていても治療方法などは違いますので、気になることがあればすぐに病院へ行きましょうね。
また、しっかりと休息を取り、ストレスをためすぎないようにしましょう。
最終更新日: 2016-10-24
*本サービスは、一般的な情報提供を目的としたものであり、診察行為や治療行為を目的としたものではありません。具体的な治療行為等については、必ず、医師等の診察を受けて頂きますよう、お願い致します。
サイトの情報を利用し判断・行動する場合は、医師や薬剤師等のしかるべき資格を有する専門家にご相談し、ご自身の責任の上で行ってください。
ヘルペスと口角炎の治療についてご説明致します。
ヘルペスは、ウイルス感染のため、アシクロビルという抗ウイルス薬の投与となります。
一方口角炎ですが、症状が軽いうちはワセリンなどの保湿剤で保護することが多いです。
しかし、ある程度症状がある場合には抗真菌薬(カンジダは真菌です)の塗り薬などが治療となります。
また、上記にお書きになられているようにビタミンの不足も原因の一つなので、ビタミンB2やB6のサプリなどを摂られるのも良いでしょう。
口角炎の場合よくありがちな悪い癖に、「患部を舐める」といった行為があります。
口角炎になると違和感もありますし、特に口を開いたときなどに痛みもあるので、ついつい舐めてしまう方も多いです。
しかし、舐めた瞬間は一時的に潤いますが、すぐにその部位は乾燥し、症状が悪化します。
そして、すぐ乾燥してしまうためまた舐めるといった悪循環にもなってしまいます。
ですので、舐めるといった行為はできる限り我慢して、保湿剤を塗るなどの対処を行いましょう。
ヨクナル提携医師・医学生: 筑波大学医学群医学類卒