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ダウン症は白血病を合併しやすい!?

ダウン症は染色体異常によって、特徴的な顔貌や身体の奇形、知的障害などがみられる病気。さらに、ダウン症は白血病を合併しやすいといわれています。今回は白血病に焦点を当てて、ダウン症で合併しやすい2つの白血病についてご紹介していきます。

ダウン症とは

原因

ダウン症とは、正式名称を「ダウン症候群」といいます。
人間の染色体が22対あるところ、この21番目の染色体に異常があり、通常なら2本組のところ、3本組となっている、先天性の症候群です。
21番目の染色体が多いため、21トリソミーとも呼ばれています。

症状

症状として、知的障害、先天性心疾患、低身長、肥満、筋力の弱さ、頸椎の不安定性、閉塞性睡眠時無呼吸、耳の感染症、眼科的問題(先天性白内障、眼振、斜視、屈折異常、難聴などが挙げられますが、個人差があります。

特徴的な顔貌

また、顔貌にも以下の特徴があります。

・丸くてあまり起伏のない顔
・つりあがった目、深いくっきりした二重
・ひらべったい鼻
・耳が小さく低い位置にあり、上部が折れている場合がある

これらは、顔の中心の骨の発達が遅いため、顔の周囲の骨格の成長で皮膚が引っ張られることにより起こります。
しかし、こちらもとても個人差があります。

白血病とは

ダウン症(Down症候群) 白血病とは

原因

赤血球や白血球、血小板の元となる造血幹細胞という細胞に遺伝子異常が生じ、正常な血球に分化できなかった異常な血球が増えてしまう病気です。
造血幹細胞が異常な血球に分化してしまうことで、正常な血球を作ることができなくなります。

症状

症状としては、貧血、易感染性(感染症にかかりやすい)、出血傾向があります。
赤血球は酸素と結合して身体中の組織に酸素を運ぶ働きがあり、赤血球が減少すると、全身倦怠感や息切れなどの貧血の症状が現れます。

白血球は身体の免疫機能を担っている細胞であるため、白血球数が減少すると、体内に侵入してきた細菌やウイルスと戦う働きが弱くなり、感染症にかかりやすくなってしまいます。

血小板は、止血効果のある血球で、出血が起こるとその周辺で凝固し、傷口を塞ぐ働きをしています。
血小板が減少すると、出血傾向といって血がなかなか止まりづらい状態になってしまいます。

ダウン症で合併しやすい白血病

ダウン症(Down症候群) ダウン症で合併しやすい白血病
出典:plaza.umin.ac.jp

造血幹細胞は非常に多彩な分化をするため、白血病にも多数の種類があります。
その中でも、ダウン症に合併しやすい白血病というものがあります。

ダウン症は1,000人に1人の確率で発生するといわれており、現在の日本の出生数がおよそ100万人であることから、毎年1,000人のダウン症の子供が産まれてくることになります。

ダウン症の子供のうち約10%は一時的に白血病のような症状(一過性骨髄増殖症)が起こります。
このうち80%は自然に治りますが、20%~30%は本格的に白血病(巨核芽球性白血病)を発症することになります。

このため、一過性骨髄増殖症にかかるのは10%と多く見えますが、実際に白血病を発症するのは約2%となります。
現在、日本にはダウン症の患者さんが5万人いるといわれています。
したがって、このうちの約2%、およそ1,000人近くが白血病を合併していることになります。

それでは、一過性骨髄増殖症と巨核芽球性白血病について詳しくみていきましょう。

一過性骨髄増殖症

ダウン症の子供のうち約10%に合併する白血病です。
一過性骨髄増殖症の原因遺伝子はGATA-1という遺伝子です。
この遺伝子が、ダウン症の原因である21番染色体上にあるため、ダウン症では一過性骨髄増殖症を発症しやすいといわれています。

症状は通常の白血病と同じですが、重症の場合は肝機能異常や全身の浮腫などがみられることがあります。
一過性骨髄増殖症は3ヶ月以内に自然治癒する病気ですが、このうち20~30%で後述する急性巨核芽球性白血病を発症するといわれています。

急性巨核芽球性白血病

ダウン症(Down症候群) 急性巨核芽球性白血病
出典:akachanikuji.com

急性巨核芽球性白血病は、造血幹細胞が分化するうち血小板の前段階である巨核芽球という芽球が異常に増殖してしまう白血病です。

症状は基本的には同じで、貧血や易感染性、出血傾向が現れますが、急性巨核芽球性白血病では異常な芽球が神経に浸潤してしまうことがあり、この場合頭痛や吐き気、嘔吐などがみられることもあります。

治療には多剤併用の化学療法が行われます。
急性巨核芽球性白血病は、一般的には他の白血病と比べて予後の悪い疾患で、5年生存率(がんでは5年間症状がみられない状態を完治とみなします)は70%、再発した場合や難治性の場合には40%まで低下します。

5年生存率は80%以上までのぼることが知られています。
ただし、やはり再発した場合や難治性の場合には予後は不良となり、30%に満たなくなります。

さいごに

治療については、化学療法が選択されることが多いのですが、ダウン症患者は、薬剤の効果が表れやすい反面、副作用も強く出てしまいます。
そこで、薬剤の量を大幅に減量した治療が行われています。

現在、原因をより深く解明することで、新たな治療法の開発が期待されています。
染色体に異常がありながらも頑張って産まれてきた命、医療の進歩によって救われる命が増えることを願うばかりです。

最終更新日: 2016-08-10

タグ:
ダウン症(Down症候群) 白内障 肥満

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