
粉瘤(アテローム)ができたら何科を受診すればいいの?治療法を紹介
粉瘤ができてしまったら、何かを受診すればよいのか迷う方もいらっしゃいます。実際、手術すると聞いて外科に行こうとする方も…ここでは、粉瘤について、また治療法などについても紹介します。
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粉瘤ってどんな病気なの?

粉瘤は、別名「アテローム」とも呼ばれています。
腫瘍なのですが良性であり、皮膚の下に袋ができ、そこに古い角質や皮脂などの老廃物が溜まってしまうことによって起こります。
身体で皮膚がある所にはどこにでもできて痛みなどがないため、そのまま特に受診をすることがない人も多い病気です。
好発部位は、首や胸、腹部や背中、腋の下や鼠径部(そけいぶ)、おしりなどです。
しかし、その老廃物が感染してしまうと痛みや発赤・腫脹・発熱などの症状があらわれることで病院受診する必要が出てくるのです。
似たような疾患の中に、ガングリオンという病名のものがあります。
これは、関節付近に出来るしこりのこと。
ガングリオンと粉瘤の違いは、前者は自然消滅したり小さくなったりするのですが、後者は自然に消えるということはありません。
首に粉瘤ができたら何科を受診すればいいの?

治療してくれる科は「皮膚科」になります。
時には手術が必要になるため、「首に出来た粉瘤は外科の方がいいのでは?」という方もいますが皮膚科の領域の病気になります。
手術といっても、一部切開する程度のものになります。
また、部分麻酔をしてくれるので痛みに弱い方も安心して受けることができます。
粉瘤って自然治癒しないの?

基本的には、自然治癒することはありません。
痛みがないうちは良いのですがそのままにしておくと炎症を起こして強く痛みを感じてしまうことがあります。
時に、がん化する可能性もあるので注意しましょう。
また、どこにでもできる粉瘤ですので、顔など気になりやすい所に出来た場合は、痛みがなくても早めに受診するようにしましょう。
小さい(2㎝程度)場合は、飲み薬(抗生剤や痛み止めなど)で治る場合もあります。
もし手術が必要となっても、粉瘤の部分を少し切開して取り除く程度ですので外科にまわされることはありません。
粉瘤を取るってどんな手術をするの?
手術となった場合には、どのような治療になるのでしょうか?
炎症を起こしている場合

粉瘤ができている上の部分を少し切開して、中の物質を取り出す方法「切開排膿」を用います。
こうすることで痛みが和らぎ破裂することもなくなります。
しかしこのままでは、再度炎症を起こす可能性があります。
そこで、今度は「小切開切除術」「くりぬき法」を使って完全除去することを目指します。
この方法は、炎症を起こしていないときの粉瘤治療に用いられる手術法です。
炎症を起こしていない場合&完治を目指して
粉瘤が炎症を起こしていない、または、起こしていたが炎症部分を取り除いた後の治療には、「小切開切除術」と「くりぬき法」を用います。
小切開切除術

小切開切除術とは、部分麻酔をした後、粉瘤の表皮をひし形に切開し嚢腫自体を取り出します。
次に、中を洗浄して止血・縫合して終了です。
1週間ほどで抜糸できるようになるので病院へ行きましょう。
くりぬき法

粉瘤の手術では、最近よく使われることが多くなってきた術式になります。
くりぬき法は、部分麻酔をした後、特殊なパンチメスと呼ばれるメスを使用し粉瘤の上部に穴を開けます。
その後、中から内容物と嚢腫を取り出します。
次に中を洗浄して止血・縫合して終了です。
(縫合しない場合もあります)
抜糸が必要な場合は、1週間ほどでできるようになるので病院へ行きましょう。
くりぬき法の場合は約4㎜程度の小さな切開で済むというメリットがあります。
しかし傷口が小さいがゆえにしっかりと嚢腫を取り除くことができていないために再発するということもあります。
手術後の生活について
特に制限されることはありません。
ただし、傷口を強く圧迫したりこすったりすることは避けるようにしましょう。
シャワーは当日か翌日から浴びることができるようになります。
あとがき
いかがでしたか?
粉瘤をそのままにしておくと炎症を起こしたり、時にはがん化してしまったりします。
ますは、皮膚科に行って相談することから初めてみましょう。
最終更新日: 2016-09-14
タグ:
粉瘤(表皮嚢腫)
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