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眼底出血の治療で行うレーザー治療ってどんなもの?費用や副作用は?

眼底出血ではレーザーを用いた治療が行われることが多くなっています。今回は、治療が必要となる眼底出血の原因や症状、治療方法や費用、合併症などについて、レーザー治療に焦点を当てながらご紹介していきます。

眼底出血とは

眼底出血 眼底出血とは

眼底とは、眼球の内部の壁のことを指します。
眼球の中には、水晶体や硝子体などの構造がありますが、これらは透明な器官です。
眼底鏡とよばれる機械を使うことで、黒目の部分から目の奥を観察することが出来、そこには目の奥に当たる眼底が見えます。

目は内側から網膜、脈絡膜、強膜の3層構造になっています。
眼底出血は、網膜表面の血管が詰まって破綻することで生じる網膜の出血です。

原因

糖尿病

眼底出血 糖尿病

血糖値が高いと、血管は障害を受けます。
このとき、細い血管ほど変形しやすく、網膜にある毛細血管は詰まってしまいます。
血流が悪くなると、網膜に栄養を補うために、新しく血管が作られていきます。
これを新生血管と呼びます。
新生血管はもろく、傷つきやすいために、すぐに破れて眼底出血を引き起こします。

高血圧

眼底出血 高血圧

高血圧とは、血管が細くなったり血流量が増えることで血管に高い圧力がかかっている状態で、血管は常にダメージを受け続けます。
すると、やはり眼底の血管は細いので、傷つきやすく、破れることがあります。

また、高血圧が進行すると動脈硬化が起こります。
動脈硬化は、血管壁がダメージを受け続け、その部分を治そうとして、血管壁が硬く厚くなってしまった状態で、進行すると血管が狭窄していきます。
その部分を通るためにさらに高い圧力がかかるようになって破裂してしまうこともあれば、狭窄のために新生血管が生じて、それが破れてしまうことでも眼底出血が起こります。

外傷

野球でボールが目にぶつかった、喧嘩して目の周辺を殴られたなど、外部からの強い刺激によって網膜の血管が破綻して出血することがあります。

網膜剥離

網膜剥離とは、網膜が脈絡膜からはがれてしまっている状態です。
網膜と硝子体は一部で癒合していて、加齢などによって硝子体の可動性があがると、網膜が牽引されて剥離してしまうことがあります。
このとき、網膜の血管が傷ついて出血することがあります。

症状

眼底出血 症状

症状は出血が起きる場所によって異なります。
眼底には黄斑(おうはん)と呼ばれる領域があり、そこが視野のほとんどを占めているといわれています。
このため、黄斑の周辺で出血が起こると、黄斑に影響が及び、急激な視力低下や視野の欠損がみられることがありますが、逆に黄斑から離れた場所ではほとんど自覚症状が現れません。

また、出血が硝子体の中にまで及んだ場合、光の通り道が濁ったり、異常な屈折を生じさせたりする原因にもなります。
このとき、飛蚊症(視界にごみが見える)や光視症(急に光がみえる)などの症状が現れることがあります。

レーザーによる治療

眼底出血の治療法の1つとして、レーザー光凝固術があります。

方法

眼底出血 方法

レーザーを血管に当てることで、出血を止めたり、新生血管を焼きつぶしたりする方法です。
虫眼鏡で太陽の光を集めると、光を当てていたところが焦げるのと同じ原理で、眼底に光を当てて出血部分を焦がします。

1回で0.5mm程度の範囲を処理でき、1回の照射時間は0.5秒ほどです。
治療は10~15分ほどで終わります。
外来で点眼による麻酔だけで手軽に行える治療法です。

症状の程度によって、網膜全体に行うこともあれば、部分的に行うこともあります。
照射範囲が広い場合は2回に分けて行うこともあります。

糖尿病網膜症の場合

眼底出血 糖尿病網膜症の場合

糖尿病網膜症の場合は、全体的に行うことが多いようです。
糖尿病では高血糖のために眼底の血管はいくらでも障害を受けてしまい、その分新生血管が産生されてしまいます。
新出血が続く限り視力はどんどん低下していくので、そうならないように、視力にかかわらない血管は焼きつぶしてしまおうという方法です。

視力には黄斑が重要で、それ以外の部分は焼いてしまっても視力にさほど影響を与えません。
糖尿病網膜症は、血液の需要と供給が釣り合っていない状況です。
そこで、必要最低限である黄斑は残して、それ以外の血管を焼きつぶすことで血液の需要を下げ、新生血管の産生を防ぐことで治療します。

部分的な出血の場合

眼底出血 部分的な出血の場合

一方、網膜剥離などによる部分的な出血では、病変部以外に新生血管が生じる可能性は低いので、全体を治療する必要はありません。
この場合は、出血部分のみに照射することで止血します。

ただし、この治療法は現状からひどくならないために行うもので、視力の回復や飛蚊症の改善のために行うものではありません。
とはいっても、レーザー治療では出血の吸収を促進させる働きもあるので、多少の改善は見込めます。

症状が悪化する場合は、追加で治療する必要が出てくることもあります。

痛み

ひどい痛みが生じる治療法ではありませんが、網膜の場所によっては神経が近くを通っている場合もあるので、その部分に光が当たると痛みを感じることもあります。
治療の前には麻酔もするので、あまり心配はいらないでしょう。
昔はひどく痛みのある方法だったようですが、現在では新しい機械が次々に開発され、より痛みの少ない機械が使われてきています。

副作用

眼底出血 副作用

黄斑部分を照射する必要がある場合、視力低下や視野狭窄などの合併症がみられることがありますが、それ以外の周辺部では自覚する副作用はないことが多いといわれています。

黄斑が視力の中心ではありますが、広い範囲に照射を行う場合は、術後に若干暗くなったように感じる方もいるようです。
また、まれに一過性の眼圧上昇や炎症が起こることもありますが、これらは点眼薬ですぐに落ち着きます。

費用

レーザー治療は保険が適用されます。

網膜全体に対して行う場合は、3割負担の方で約49,500円
網膜の部分的に行う場合は、3割負担の方で約33,000円
となっています。

治療後の経過

眼底出血 治療後の経過

強い光を何度も照射するので、治療直後は見えづらく感じるかもしれませんが、15分ほどで落ち着きます。

また、治療を始める際に散瞳薬といって、瞳孔を広げる薬を使います。
薬の効果が消えるまでは普段よりも多くの光が目の中に入ってくることになるため、眩しく感じることもあります。

そのうえ、ピントを合わせづらくなるので、落ち着くまでは近い場所での作業が難しいこともあるかもしれませんが、数時間で効果は切れます。
その後は、先生の指示に従って再度受診し、眼底の様子を診てもらいます。

レーザー以外による治療

薬物療法

眼底出血 薬物療法
出典:www.tadapic.com

薬物療法では、血管強化薬や循環改善薬、抗凝固薬が用いられます。

眼底出血は網膜の循環(血液の流れ)が悪くなることによって生じるものなので、血管壁を破れにくくして出血を防ぐ血管強化薬や、血液の流れを改善することで血管の破綻を防ぐ循環改善薬、血管内に血栓が形成されて血管が詰まってしまうのを防ぐ抗凝固薬などが用いられます。

初期の場合はこれだけで効果が現れることもありますが、進行が進んでいる場合は、レーザー治療や後述する硝子体手術などの治療が必要になることもあります。

副作用として、抗凝固薬は血液を固まりにくくする効果のために出血しやすくなることに注意が必要です。
費用は薬の量によって薬の種類や処方される量によって異なりますが、数千円程度と考えておくとよいでしょう。

硝子体手術

出血がなかなか吸収されずに、いつまでも硝子体が濁っている場合は、硝子体を除去するための手術を行います。
白目に穴をあけて、硝子体を砕いて吸引します。
合併症としては、網膜剥離や炎症、新たな出血が挙げられますが、確率は低いといわれています。
硝子体手術は保険適用の3割負担で120,000~150,000円ほどかかります。

硝子体手術については、こちらの記事に詳細が書かれていますので、併せてご覧ください。

レーザー治療は積極的に行われている治療法です

レーザー光凝固術は、失明を予防するために積極的に行われている治療法です。
将来、硝子体手術が必要になった際に、レーザー治療をしておいた場合の方が治療効果が良いという報告もあります。

症状の進行を防ぐためにも、将来の視力を保つためにも、非常に有効な治療法といえます。

最終更新日: 2016-10-24

タグ:
眼底出血 糖尿病網膜症 動脈硬化 網膜剥離 高血圧 糖尿病

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