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後鼻漏を改善できる?後鼻神経切断術とは

一日中ねばねばした鼻水が喉に絡みつき、とても不快な後鼻漏。一度発症するとなかなか治らないといわれる後鼻漏ですが、後鼻神経切断術によって症状が改善するケースもあります。後鼻漏の症状や原因、後鼻神経切断術のメリットやデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

1人の医師・医学生がチェック済み

後鼻漏ってどんな病気?

後鼻漏の原因

鼻炎 後鼻漏の原因
出典:www.taku-jibi.jp

後鼻漏とは、本来鼻の前の方へ出てくるべき鼻水が、のどの方へまわって落ちてゆく状態を指します。

健康な人でも、1日に2~6リットルの鼻水が作られており、その約3割は本人も気づかない内に飲み込んでいるとされています。
つまり、後鼻漏自体は生理的なものであり、病気ではありません。

しかし、鼻水の量が増えたり、粘性が増したりしてくると、口の中が粘つく・喉に痰が絡むなどの症状が現れてきます。
後鼻漏で悩んでいる人の多くはこの状態にあると考えられます。

後鼻漏はあくまでも症状の名前であり、その大元には慢性鼻炎や副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、上咽頭炎などの疾患が存在します。
そのため、後鼻漏の治療を行うには、まず大元の疾患を突き止める必要があるのです。

鼻漏が漿液性もしくは水様性の場合

さらさらとして透明な「漿液性」もしくは「水様性」の鼻漏の場合は、次のような疾患が原因になっている可能性があります。

アレルギー性鼻炎花粉症、血管運動性鼻炎、単純鼻炎、外傷性髄液鼻漏、かぜ

鼻漏が粘液性もしくは膿性の場合

ねばねばしている「粘液性」、もしくは黄色や黄緑色の「膿性」の鼻漏の場合は、次のような疾患が原因になっている可能性があります。

急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、歯性上顎洞炎、副鼻腔真菌症、上顎症、上咽頭炎、ソーンワルト病

鼻漏が血性の場合

血液が混じる「血性」の鼻漏の場合は、次のような疾患が原因になっている可能性があります。

鼻腔腫瘍、副鼻腔腫瘍、上咽頭がん、ウェゲナー肉芽腫症

特に、血性の鼻漏が見られる場合は、重大な疾患が潜んでいる危険性があるため、できるだけ早期に専門医を受診するようにしてください。

後鼻漏の症状

後鼻漏の症状は多岐に渡ります。
ずっと症状が継続する場合もあれば、症状が軽くなったり重くなったりを繰り返す場合もあります。

以下に挙げる症状に2つ以上当てはまるようであれば、後鼻漏の疑いがあります。

後鼻漏チェックリスト

鼻汁がのどに落ちてくる
痰がからむ
痰をよく吐き出す
口の中が粘つく
口の中に分泌物があふれてくる
口臭がある
喉のつかえ感・ヒリヒリ感などがある
胃の膨満感・不快感がある
声がしわがれる・かすれる
味覚障害がある
仰向けで安眠できない

後鼻漏は悪化すると、日常生活に支障をきたすほどの不快感をもたらします。
気になる症状がある方は、症状が酷くなる前に耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。

ただし、後鼻漏の治療はあまり一般的ではないため、診察に慣れていない医師の場合は「ただの鼻炎」や「気のせい」で済まされてしまうケースもあります。
受診の際は、インターネットなどで後鼻漏の治療に強い病院やクリニックを探してから受診すると、より確実な治療を受けることができるでしょう。

後鼻神経切断術とは?

後鼻神経切断術

鼻炎 後鼻神経切断術
出典:www.kyoto3387.jp

鼻の自律神経の1つである後鼻神経(翼口蓋神経)を内視鏡下で切断することによって、鼻汁の分泌を止める手術です。
オリジナルの術式では後鼻神経のみを切断するとされていますが、高度な手技が要求されるため、一般的には伴走する蝶口蓋動脈も一緒に切断する方法が普及しています。

手術は日帰り、もしくは1泊2日程度の入院で受けることが可能です。
薬の効果が得られない重症のアレルギー性鼻炎患者の8割以上に効果が認められているというデータもあり、後鼻漏の改善にも効果が期待できます。

粘膜下下鼻甲介骨切除を行い鼻づまりが治っても、鼻汁やくしゃみなど神経の反射を介する症状は改善しにくいものです。
その場合、鼻の自律神経の一つである後鼻神経(翼口蓋神経)を切断すればくしゃみ、鼻汁の分泌がほぼ消失します。

当院では内視鏡下において、後鼻神経を確実に切断するために伴走する蝶口蓋動脈も合わせて切断します。
但し特に血圧が高い方や出血性素因のある方に対して行う場合、動脈を切断せずに神経のみ切断することも必要に応じて行っておりますが、動脈の裏側に走っている神経を切断できない可能性があります。
1泊2日の入院ですが、術後1週間くらいは出血の可能性がありますので、力を入れるような仕事や激しい運動は避けていただきます。

この手術法で薬が効かないような重症のアレルギー性鼻炎の8割以上の方に効果 が認められております。

引用元: www.hiroshiba.com

手術の内容

鼻炎 手術の内容

後鼻神経切除術の手術は、基本的には全身麻酔で行われます。
直径4ミリの内視鏡を使って、鼻腔内の粘膜を焼きながら後鼻神経まで進み、神経を切断します。
蝶口蓋動脈を一緒に切断する場合は、出血を予防するためにハーモニック・スカペルという超音波凝固装置を使います。

切断した後鼻神経には、鼻腔内の軟骨で蓋をするような処置を行います。
この処置を行わないと、切断面から新しい神経が伸びてきて、鼻炎が再発してしまいます。

手術にかかる時間は片側が10分程度です。
両側を手術した場合、前後の処置も含めると30分~40分程度が平均的です。

手術によるメリット

難治性の慢性鼻炎は保存的治療では改善困難

後鼻漏の原因でもある難治性の慢性鼻炎は、薬を使った保存的治療ではなかなか完治は望めません。
その点、後鼻神経切断術では鼻汁を作り出す大元の神経を手術によって切断するため、長期間に渡り優れた効果を得ることができます。

症状が再発した場合の治療が容易

鼻炎 症状が再発した場合の治療が容易

手術後に症状が再発した場合も、点鼻薬や内服薬を使用することで、短期間の内に辛い症状を改善することができます。

手術によるデメリット

鼻の加湿機能の消失

後鼻神経を切断する際に蝶口蓋動脈も一緒に切断してしまうと、鼻の加湿機能が失われてしまう場合があります。
病院によっては蝶口蓋動脈を温存し、後鼻神経のみを切断する術式を採用しているところもあるので、後遺症が心配な方はそのような施設を探してみると良いでしょう。

術後の鼻閉

鼻炎 術後の鼻閉

手術後の数日間は両鼻とも鼻閉(鼻が詰まった状態)になります。
その期間は口呼吸になってしまうため、多少の苦痛が伴います。
一定の期間が経過すると鼻閉は解消します。

症状の再発

手術後、徐々に症状が再発してくる場合があります。
特に、アレルギー体質の方はアレルギーの原因物質が鼻から侵入することで、再び鼻炎症状が起きてしまうケースも少なくありません。
症状を再発させないためには、日頃からアレルギーの原因物質を避ける努力が必要です。

そのような努力を行っても万が一再発してしまった場合は、上記でも述べたように、点鼻薬や内服薬での再治療を行う必要があります。

合併症のリスク

かつては、手術後にドライアイや上顎のしびれなどが起きることがありましたが、現在は術式が改良され、そのような合併症のリスクはほとんどないとされています。

手術にかかる費用

鼻炎 手術にかかる費用

後鼻神経切除術にかかる費用は、病院にもよりますが、片側の鼻で約80,000円程度です。
両鼻を処置する場合は160,000円程度の費用が必要となります。

健康保険が適用されるほか、高額療養費の対象にもなりますので、詳しくは健康保険の窓口、もしくは手術を受ける病院にご相談ください。

最終更新日: 2016-09-14

タグ:
乾燥性結膜炎(ドライアイ) 蓄膿症(慢性副鼻腔炎) アレルギー性鼻炎 花粉症 鼻炎 口臭

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