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【症状チェックリスト付き】気分障害ってどんな病気?原因と症状、治療法まとめ

気分障害とは、以前は感情障害と呼ばれていたもので、身の回りの出来事に関係なく気分が沈んだり、ハイになったりする病気です。 どんな症状があるのでしょうか。原因や治療法まで徹底解説していきましょう。

気分障害とはどんな病気か

うつ病と双極性障害のこと

気分障害 うつ病と双極性障害のこと

気分障害とは周りの出来事に関係なく気分が沈んだり、ハイになったりする状態が一定期間続いた状態のことを言います。
ひどくなると妄想や幻聴などの精神病症状がでることがあります。

気分障害にはうつ病や双極性障害などが含まれます。

どのくらいの人がかかっているの?

気分障害 どのくらいの人がかかっているの?

罹病危険率(りびょうきけんりつ:一生のうちでどれだけその病気にかかるか)は、うつ病(単極型うつ病)の場合、女性で約20%、男性はその半分の10%前後となっています。
双極型気分障害の場合は1桁少ない数値(女性で2%、男性で1%前後)となっています。

不安障害との違い

気分障害 不安障害との違い
出典:2284kokoro.com

不安障害とは、パニック障害、PTSD、強迫性障害など「不安」を主な症状とする精神疾患をまとめた総称です。
不安障害と気分障害は異なるものですが、不安障害で精神状態が弱ってしまい、うつ病が併発することがあります。

子どもの気分障害

気分障害 子どもの気分障害
出典:kidsmental.net

大人の場合まじめ、几帳面、責任感が強いなどの性格の人はうつ病なりやすいと言われていますが、子どもの場合、大人ほど性格がうつに影響しません。
育つ環境、しつけ、乳幼児期の喪失体験などの実体験の積み重ねが子どものうつを発症する要因になると考えられています。

子どものうつは落ち着きがない、意味のない行動を繰り返すなどの行動面や、食欲がない、体重が減る、眠れないなどの身体面での症状がでることがあります。

気分障害の分類

気分障害 気分障害の分類

DSM-5

アメリカの精神医学会による精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)のことで、精神障害の分類のための共通言語と標準的な基準が提示されています。

DSMは、世界保健機関など国際的にも広く用いられています。
1952年からDSMⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳと改訂され続け、2013年以来DSM-5が用いられています。

DSM-5では、うつ病と双極性障害が異なる精神疾患の単位とみなされているため、気分障害という総称的な精神疾患の概念がなくなり、「抑うつ障害・うつ病性障害」と区別されています。

ICD-10

疾患及び関連保険問題の国際統計分類(略:国際疾病分類)International Statistical Classification of Diseases and Related Health Probrems)
死因や疾病の国際的な統計基準として世界保健機構(WHO)によって公表されている分類です。
気分障害におけるDSM-5とICD-10は細かい分類の仕方は異なるとはいえ、概念はほぼ同じです。

厚生労働省によるデータ

気分障害 厚生労働省によるデータ
出典:www.mhlw.go.jp

精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成23年は320万人と依然300万人を超えています。

内訳としては、多いものから、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などとなっており、 近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。

引用元: www.mhlw.go.jp

気分障害の原因

気分障害 気分障害の原因

はっきりした原因はまだよく分かっていませんが、脳の神経伝達物質の働きが悪くなっているのと同時に、ストレスなどの様々な要因が重なり発病すると考えられています。

人間関係からくるストレス

人間関係からくるストレスは複雑なものですが、強いストレスを感じる3つのケースがあります。

気持ちのズレ

信頼している同僚が自分の仕事についてよく思っていなかった、親友だと思っていた友人が他の人といる方が楽しそう、など。

立場の変化

結婚や妊娠、仕事の昇進、退職など立場の変化は、周りを取りまく人間関係も変化するため過度のストレスにつながることがあります。

人間関係の欠如・孤立

引っ込み思案で新しい環境に溶け込むのが苦手、仕事が忙しく、家族や友人との交流の時間がないなど社会の中で人間関係が途絶え、孤立することも原因になります。

環境の変化からくるストレス

気分障害 環境の変化からくるストレス
出典:www.pairs.tw

家族や親しい人の死亡、仕事や財産の喪失、就職や退職、転勤、引っ越し、結婚や離婚、妊娠、育児などの大きな環境の変化が引き金になることがあります。

遺伝はするの?

気分障害を発症する原因には様々なものがありますが、遺伝もその一つに挙げられます。
しかし、その影響はある程度関係しているという程度です。
片親がうつ病の場合、子どもが発症する確率は10~15%と言われています。

健常人が一生のうちにうつ病を発症する確率(生涯有病率)は、厚労省の発表によると6.5~7.5%程度だと言われています。

対して、片親がうつ病の場合に子供にうつ病が発症する確率は10~15%ほどと言われており、一般の発症率よりも2~3倍多くなります。

気分障害の症状

気分障害 気分障害の症状

うつ病

気分障害という名前のイメージから気持ちだけが落ち込む病気かと思われがちですが、身体全体に影響が出てくる病気です。

うつ症状が出ると一日中嫌な気持ちが続き、どんなに好きなことをしていても気分が晴れません。
特に朝にひどく症状が出る傾向にあるようです。

食欲がなくなり、好きな食べものも美味しいと思えず、食が進まないのでどんどん痩せていきます。
夜は寝つきが悪い上に、夜中に何度も目が覚め、朝もまだ暗いうちから目が覚め、眠れないなどの症状もあります。
意欲や興味もわかず、やり場のない苦しみがあり、何をしても気持ちが落ち着かない、何を考えても悪い方にしか考えられない、自分は役に立たない、ダメな人間だ、死にたいとまで追い詰められることがあります。

双極性障害

うつ状態に加えて、爽快で楽しい、みなぎるエネルギーを感じる躁状態がみられます。

次々にアイデアが浮かんで仕事もはかどりますが、すぐに怒ったり、気が散って集中できなかったりします。

超能力があるなどの誇大妄想に発展することもあります。

本人も周囲の人もあまり困らない程度の症状を「軽躁状態」といいますが、入院が必要になるほどの激しい状態を「躁状態」と呼びます。

気分障害の治療方法

気分障害 気分障害の治療方法
出典:krista-lewis.com

休養

気分障害の患者は休養を最も必要としています。
会社や学校があって気になるかもしれませんが、横になってしっかり休むことが何よりの治療になります。

カウンセリング

専門家が患者の辛い気持ちを聞いて、受け止める精神心理療法です。
物事の考え方や据え方を変えるための認知行動療法も含まれます。
しかし、症状が落ち着くまでは休養と薬物療法がメインとなります。
なぜなら症状が重い場合、話すこと自体が負担になるからです。

2012年には「気分障害の治療ガイドライン」改訂版が出版され、新型うつ病への対応や自殺対策の一貫としてのうつ病治療や新しい抗うつ薬の保険適応なども含む内容になり、気分障害の概念、治療方針などが取り上げられています。
精神科医は「気分障害の治療ガイドライン」に精通しており、患者の個別性に合わせて治療をする助けになっています。

ケア

メンタルヘルスケアとは、すべての人が健やかに、生き生きと働けるような気配りと援助をすることです。

ストレスが多い職場は、企業にとってもリスクを抱えることになります。
企業は、社員がストレスにうまく対処できるように、不必要に抱え込まないようにする対策をすることでリスクの回避、生産性の向上などを図ることができるでしょう。

電気

気分障害 電気
出典:www.j-cast.com

うつ磁気刺激治療(TMS)といって、磁気を用いて脳の特定の部分に働きかけ、脳血流を増加させることにより低下した機能を元に戻す治療です。
薬物療法や電気けいれん療法と比べ、副作用がなく安全性が高いのが特徴です。
うつ病を発症している脳は、血流や代謝が低下しているので、磁気刺激により活性化させるメカニズムに基づいた治療と言えます。
世界中で行われている臨床研究により効果が実証されています。

治療薬

種類 

抗うつ薬は、気分障害に用いられる精神科の薬です。
うつ状態の時は脳内環境のバランスが崩れていますから、抗うつ薬は脳内環境を元に戻す働きがあります。
抗うつ薬は、うつの原因と考えられている脳内の神経伝達系のノルアドレナリン、セロトニンに作用します。

抗うつ薬は大きく5つに分類されますが、開発された順に「三環系抗うつ薬」「四環系抗うつ薬」「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」「選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)」「ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)」となります。
新しいほどいいというものでもなく、人によって相性があります。

気分調整薬は、うつ状態と躁状態に効果のある薬で、中枢神経に作用し、抑えることのできない感情の高まりや行動を抑制する働きがあります。
炭酸リチウム、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピンなどがあります。

副作用

副作用で多いのは、眠気、口の渇き、便秘などです。
眠気は中枢神経抑制作用によるもので、鎮静、注意・集中力の低下なども起こることがありますが、不眠がある場合には睡眠薬の代わりになります。
口の渇きや便秘は抗コリン作用と言って、自律神経系に影響する副作用です。

三環系抗うつ薬は、口が渇く、便秘、おしっこが出にくくなるの他にめまいやふらつきなどを引き起こすことがあります。
加えて、頻度は低いですが不整脈を誘発する可能性もある薬です。
NaSSAは眠気、体重の増加の副作用がやや多い傾向にあります。

光を使った最新の治療器具も

気分障害 光を使った最新の治療器具も

最近の研究によると、生体リズムを改善するとうつ病が改善することが証明され、生体リズムを整える「光療法」が有効であると実証されました。

うつ病の人は睡眠障害を抱えることが少なくありませんが、太陽光線は生体リズムや気分と深く関わっています。
朝日を浴びることができるなら、それが最高の光療法であるとも言えます。

気分障害の検査

気分障害 気分障害の検査
出典:renote.jp

診断基準

診断基準は、DSM-5とICD-10が主に用いて診断します。
さらに、うつ病の診断においてはうつの評価スケールが用いられることがあります。

評価スケールというのは心理検査を行い、重症度を客観的に見ることができる有用なツールでハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)などがあります。

診断方法

診断方法は本人や家族への詳細な問診を中心に進められます。
例えば症状がいつから始まったのか、どのような症状が現れたのか、症状が現れるきっかけのようなものが何か、日常生活や社会生活の支障度合いなどに加え、既往歴、家族構成、性格の把握をします。

症状チェック

「いいえ、時々、しばしば、常に」のどれに当てはまるかそれぞれの質問に答えてみましょう。
診断するためのものではありませんので、コピーして診察の時に医師に見せて相談するのにお役立てください。

01 体がだるく疲れやすいですか
02 騒音が気になりますか
03 最近気が沈んだり気が重くなることはありますか
04 音楽を聴いて楽しいですか
05 朝のうち特に無気力ですか
06 議論に熱中できますか
07 くびすじや肩がこって仕方がないですか
08 頭痛持ちですか
09 眠れないで朝早く目覚めることがありますか
10 事故や怪我をしやすいですか
11 食事がすすまず味がないですか
12 テレビを見ていて楽しいですか
13 息がつまって胸苦しくなることがありますか
14 のどの奥に物がつかえている感じがしますか
15 自分の人生がつまらなく感じますか
16 仕事の能率が上がらず何をするにもおっくうですか
17 以前にも現在と似た症状がありましたか
18 本来は仕事熱心できちょうめんですか

引用元: utsu.ne.jp

治療期間

気分障害 治療期間

1〜3ヶ月ほどで症状が軽くなる

気分障害は診断を受けてから回復するまでには時間がかかることが一般的です。
回復するまでの期間は個人差がありますが、目安となる期間をご紹介します。

うつの診断を受けてから、十分の休養を取りながら適切な薬物治療を始めることで1~3カ月ほどで症状が軽くなってきます。
人によっては半年以上かかることもあります。
効果が表れるのに時間がかかるので焦らず、薬物療法を続け、ストレスの原因から離れて、休養に専念しましょう。

回復期が4~6カ月以上かかるでしょう。
この時期は、調子のいい日と悪い日が波のようにあり、一進一退を繰り返しながら徐々に改善していきます。
調子のいい日が続いても、治ったと勝手な判断をして無理をしたり、薬をやめたりしないようにしましょう。
かえって症状が悪化し、回復するのに時間がかかってしまうことがあります。

再発予防の期間を含めると約1〜2年

回復期が過ぎ、症状が安定しても油断はできません。
うつ病は再発しやすいので、1~2年は薬物治療を続けることにより再発を防ぎ、調子のいい状態を持続させる必要があります。
勝手に薬をやめたり、飲むのを忘れてしまうと、めまい、ふらつき、吐き気、嘔吐、倦怠感などが起きる可能性があるので必ず医師の指示に従うようにしてください。

気分障害患者と仕事

診断書をもらう方法

気分障害 診断書をもらう方法
出典:www.bengo4.com

受診した時から診断書をもらえるまでの期間は決まっていません。
しかし、初診で気分障害と診断せず、経過を見て判断することがありますが、診断書がほしいということはどの段階で伝えてもよいでしょう。
気分障害の診断は、問診によるものが主なので、何度か受診し焦らずにきちんと問診を受けましょう。

診断書を書いてもらったら、上司との面談が必要でしょう。
病院で診断された内容と、自分の症状を正直に伝えましょう。
病気なので働くことが困難であること、休養が必要であることを理解してもらうことがポイントです。

社員が50人以上いる職場では産業医がいて、主にメンタルヘルスケアをしてくれるはずです。
病院での診察内容を伝え、相談してみてください。

休職期間はまずは一ヶ月、無理なら延長を行うようにし、きちんと治るまで自宅療養しましょう。

うつ状態が完全に回復していなくても、休職期間が長いと職場復帰可能との診断書を書いてくれる傾向にありますが、中途半端なまま仕事復帰すると再発する可能性が高まるのは言うまでもありません。
焦らず、しっかり治しましょう。

復帰のタイミング

いつ、どのように職場復帰できるかは様々な要素が関係するでしょう。

気分障害を抱えながら今の責務に耐えていけるでしょうか?ストレスの耐性の問題があります。
うつ病になると記憶力、判断力、コミュニケーション能力、機敏さ、バイタリティなどの機能がうまくできなくなることがあります。
業務能力に問題が出る可能性を考えたでしょうか?

会社側が職場復帰の条件を配慮して整備できるか、本人の仕事に対する意欲と回復の自覚はどれほどか、主治医と産業医の医学的から見た判断なども考慮し、バランスの取れた判断をしましょう。

最終更新日: 2016-10-07

タグ:
気分障害 うつ病(大うつ病性障害) 双極性障害(躁うつ病)

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