1. ヘルスケア情報 >
  2. 病気・症状 >
  3. 内臓の病気・症状 >
  4. ターナー症候群 >
  5. 【写真付き】女性のみに発症するターナー症候群の特徴とは?症状や気になる原因を解説

【写真付き】女性のみに発症するターナー症候群の特徴とは?症状や気になる原因を解説

ターナー症候群を引き起こす原因や、家族の中での遺伝について、またターナー症候群でみられる症状や特徴を写真付きで詳しくご紹介していきます。

1人の医師・医学生がチェック済み

ターナー症候群とは

ターナー症候群とは女性のうち4000人に1人の頻度で生じる染色体異常で、低身長や性腺機能低下、翼状頚、外反肘などさまざまな身体体特徴を示す病気です。
自然流産の原因でもあり、ターナー症候群は難病に指定されています。
成人後の平均身長は139cmと低く、また性腺機能が低下しているために妊娠することは難しいことが知られています。

原因は?

性染色体異常

ターナー症候群 性染色体異常
出典:jcrgh.com

ターナー症候群の原因は、性染色体とよばれる染色体の異常です。
私たちの細胞には、22ペア44本の常染色体と2本の性染色体が存在しています。
性染色体にはXとYの2種類あり、XXの場合は女性、XYの場合は男性になります。
通常、私たちは22本の常染色体と2本の性染色体をもって、女性なら「46XX」、男性なら「46XY」と表現されます。

赤ちゃんは母親の染色体を半分(23X)、父親の染色体を半分(23Xまたは23Y)ずつもらって、46XXまたは46XYの染色体をもつことになります。
女の子が生まれる場合、母親の生殖細胞から23X、父親の生殖細胞からも23Xをもらうわけですが、このときどちらかのX染色体が欠けてしまって、「45XO(性染色体がない場合を通常Oで表す)」になってしまうのがターナー症候群です。

染色体と遺伝子の違い

遺伝子は遺伝情報(DNA)が記載されている非常に長いひも状のものであり、これを細胞の核の中に収めるために折りたたまれて折りたたまれて小さく塊をつくったものが染色体です。
つまり、遺伝子の異常ではたっくさんあるDNAのうち一部が欠けた状態ですが、染色体の一部が欠けるとその部分に含まれていた遺伝子がごっそり抜け落ちてしまうことになります。
このため、染色体異常では多彩な症状や特徴がみられます。

男性は発症しない

ターナー症候群は45XOの染色体をもつ染色体異常です。
Y染色体には身体を男性化させる遺伝子が含まれています。
つまり、Y染色体をもたなければ男性にはなれないのです。
このため、性染色体のうちX染色体1つのみをもつターナー症候群は、すべて女性の患者さんになります。

ターナー症候群は遺伝する?

ターナー症候群 ターナー症候群は遺伝する?

家族(兄弟)がターナー症候群の場合

母親から産まれた1人目の女の子がターナー症候群だった場合、2人目も女の子になるかというと、そういうわけではありません。
ターナー症候群を引き起こす染色体異常は1/1000といわれていますが、これは確率的に起こるものであり、両親に問題があるわけではありません。
2人目がターナー症候群になる確率は、通常の妊娠と同じく、また1/4000になるわけです。

母親がターナー症候群の場合

母親がターナー症候群の場合も同じで、母親がターナー症候群だからといって確率があがるわけではありません。
ただし、ターナー症候群は性腺機能障害があるため、99%は不妊になり、妊娠できる患者さんは1%程度と報告されています。

症状

低身長

ターナー症候群 低身長

低身長とは「身長が-2SD以下の場合」と定義されています。
SDとは標準偏差のことで、平均値からどれだけ離れているかを表すものです。

1歳の平均身長は73.4cm

1歳の女の子の平均身長は73.4cmですが、これに対してターナー症候群の女の子の1歳時の平均身長は67cmとなっています。
この段階ではなかなか気付けないことも多く、染色体検査をしていなければ、知らずに過ごすことも少なくないでしょう。

成人後の平均身長は139cm

これに対し、20歳の女性の平均身長は159.0cmですが、ターナー症候群の女性では成人後の平均身長は139cmとなっています。
身長は思春期に訪れる第二次性徴によって急激に伸びることが知られています。
ターナー症候群では女性ホルモンがうまく分泌されないため、第二次性徴が起こらず、このために身長が伸びるきっかけが訪れないのです。

性腺機能低下、原発無月経

ターナー症候群 性腺機能低下、原発無月経

ターナー症候群では女性ホルモンが正しく分泌されません。
このため、二次性徴が起こらず、胸の発達や外性器に生える恥毛、脇毛、月経の発来などが起こりません。
この原因として、ターナー症候群では卵巣が十分に発達しないことがあげられます。

卵巣は女性ホルモンを分泌し、かつ卵子を産生する臓器です。
女性ホルモンが分泌されないと、女性らしい身体を作るための二次性徴が起こらないため、女性らしい体つきではなく、幼い女の子のような身体つきになります。

妊娠は99%出来ない

卵巣が発達しないため、卵子は産生されません。
仮に卵子が産生できた場合でも、その卵子を成熟させるためにはやはり女性ホルモンが必要なため、ほとんどの場合は流産してしまいます。
稀に妊娠できた例も報告されていますが、妊娠率はわずか1%といわれています。

2014年、日本で初めてターナー症候群の女性が出産したニュースがありました。
この方は妹さんから卵子提供を受け、体外受精によって妊娠を成立させました。
ターナー症候群の女性では、卵巣の形成不全に加え、女性ホルモンが正しく分泌されないことで、通常は子宮も萎縮してしまいます。
ですが、この女性の場合は、小さい頃から将来の出産にホルモン補充療法を行って子宮を維持させていました。
このことが、何よりの鍵となっています。

身体的特徴

身体的特徴では下記のようなものがみられることがあります。
ただし、患者さんによって程度はさまざまで、ほとんど分からないような場合も少なくありません。

顔つき

ターナー症候群 顔つき
出典:plaza.umin.ac.jp

顎が小さい、耳介(じかい:耳のうち外側にとびでている部分のすべて)が尖っている、という特徴がみられることがあります。
目や鼻、口などに変化が現れることはありません。

翼状頚(よくじょうけい)

ターナー症候群 翼状頚(よくじょうけい)
出典:plaza.umin.ac.jp

首回りの皮膚がたるんで、首から肩にかけてひだが出来ている状態です。
翼状頚はターナー症候群で比較的みられやすい特徴の1つです。

外反肘(がいはんちゅう)

ターナー症候群 外反肘(がいはんちゅう)
出典:blog.livedoor.jp

手のひらを上に向けて手を伸ばしたとき、5~15度ほどやや外側に曲がってゆるやかな「く」の字を呈するのが正常です。
これは生理的外反と呼ばれますが、この角度を超えて極端に外側に曲がっている状態を外反肘といいます。

四肢浮腫

ターナー症候群の女性は出生時に手の甲や足の甲がむくんでいることが知られています。
このむくみは成長につれてほとんどみられなくなっていきます。

先天性心疾患

ターナー症候群では20%の割合で先天性心疾患を伴います。
具体的には、大動脈狭窄症、僧房弁逸脱、大動脈二尖弁などの心臓や血管の奇形です。
ターナー症候群の診断がついたらまず調べておきたい合併症の1つです。

ターナー症候群の合併症

合併症としては、先天性心疾患の他、中耳炎や難聴、骨粗鬆症糖尿病、甲状腺機能障害、心臓や血管の奇形(大動脈狭窄症、僧房弁逸脱、大動脈二尖弁)、腎臓の奇形(馬蹄腎)などが報告されています。

発達障害や知能低下はない

ターナー症候群 発達障害や知能低下はない

染色体異常や遺伝子異常の病気には発達障害や知能低下を伴うことは少なくありません。
染色体異常かつ発達障害、知能低下を示す病気として代表的なものに、21番染色体が1本多い「ダウン症」があります。
また、46XXYの染色体をもつ「クラインフェルター症候群」も自閉症や社会への適応能力の不足、言語機能の遅れなどの発達障害を示します。
15番染色体の一部が欠損する「プラダーウィリー症候群」では、知的障害や対人関係の形成能力の低下などが現れます。

これに対し、ターナー症候群では発達障害や知能低下を認めません。
算数や体育を苦手とする傾向が報告されていますが、それ以外では普通の子から後れをとることはありません。
子どもに染色体異常があると分かると両親は驚き、不安を抱えてしまうかもしれませんが、あるお医者さんは告知の際にこういうそうです。

「産まれてくる女の子は、周りの子と比べて背が小さく、将来お母さんになれないかもしれません。
でもそれ以外は普通の子と変わらないとっても元気な女の子です。

平均寿命の差はない

ターナー症候群では上述した通り低身長や生鮮機能の低下、特徴的な身体を示しますが、これらは生命活動を維持する点において悪影響を及ぼすものではありません。
したがって、ターナー症候群の患者さんは通常の女性と同じように寿命を全うすることができます。
ただし、ターナー症候群では心臓や腎臓に合併症をもつことがあり、その場合は寿命に影響を及ぼすこともあります。

どんな検査をするの?

血液検査

栄養状態、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、女性ホルモンを測定します。
栄養状態が悪かったり、甲状腺ホルモンの低下があると低身長をきたすことがあり、ターナー症候群を診断するためにはこれを否定する必要があります。
また、成長ホルモン、女性ホルモンの低値を確認することで、ターナー症候群を裏付ける証拠になります。

レントゲン検査

ターナー症候群 レントゲン検査
出典:www.kobekids.net

骨の発育の度合いを調べるためには、手のレントゲン検査が行われます。
手の骨は数が多く、このうち骨がどれだけ成熟しているかを調べることで、骨の年齢が何歳相当であるのかを知ることができます。
ターナー症候群では骨の発育が未熟であるために低身長をきたすため、診断の根拠になります。

染色体検査

確定診断のための検査としては、染色体の本数の異常や欠損がないかを調べるために行う染色体検査が行われます。
ターナー症候群では性染色体のうちX染色体が1本しかないことを確認します。

リンパ球の細胞を調べる

染色体は細胞のうちの中にある核とよばれる構造の中に存在しています。
この細胞に特殊な薬剤や機械を用いることで、核の中から染色体を取り出すことができます。
ターナー症候群では、末梢リンパ球という細胞を使って判定します。
末梢リンパ球とは、血液中に流れているリンパ球のことで、採血によってこの細胞を摂取します。

治療方法はあるの?

ターナー症候群 治療方法はあるの?

ターナー症候群の治療法としては、ホルモン補充療法が行われています。
成長ホルモン、女性ホルモンの2種類ありますが、いずれも保険適用となっています。

成長ホルモンの投与

低身長に対しては、成長ホルモンの補充療法が有効です。
5,6歳頃から成長ホルモンの補充を行うことで、150cm前後まで身長が伸びることが期待できます。

女性ホルモン補充療法

Kaufmann療法と呼ばれる女性ホルモンの周期的な投与により、月経の誘発や、二次性徴の発現を期待することができます。

最終更新日: 2016-10-24

タグ:
ターナー症候群

記事に関するお問い合わせ

「ターナー症候群」に関する記事

ターナー症候群についてさらに詳しく知りたいならこちらをチェック

【写真付き】女性のみに発症するターナー症候群の特徴とは?症状や気になる原因を解説
【写真付き】女性のみに発症するターナー症候群の特徴とは?症状や気になる原因を解説

「内臓の病気・症状」に関する記事

内臓の病気・症状の記事は他にも多数!

脱肛の原因と治し方とは?薬で治したいけど手術は必要?
脱肛の原因と治し方とは?薬で治したいけど手術は必要?
多嚢胞性卵巣症候群を改善する!食事や生活習慣の見直しが重要なポイント
多嚢胞性卵巣症候群を改善する!食事や生活習慣の見直しが重要なポイント
肺がんの原因と症状、ステージとは?余命はどのくらい?
肺がんの原因と症状、ステージとは?余命はどのくらい?
原因不明の多臓器疾患「サルコイドーシス」ってどんな症状があるの?
原因不明の多臓器疾患「サルコイドーシス」ってどんな症状があるの?
痛みの王様【尿路結石】の症状とは?検査、治療法を詳しく解説!
痛みの王様【尿路結石】の症状とは?検査、治療法を詳しく解説!

人気の記事

ドクトルで人気の記事を集めました

人気のキーワード

今ドクトルで話題の病気の原因・検査方法・治療方法・予防方法を集めました。