1. ヘルスケア情報 >
  2. 病気・症状 >
  3. 皮膚の病気・症状 >
  4. 新生児黄疸 >
  5. 新生児黄疸の原因とは?知っておきたい症状・検査・治療方法を詳しく解説!

新生児黄疸の原因とは?知っておきたい症状・検査・治療方法を詳しく解説!

産まれてきた赤ちゃんがみるみる黄色くなってきた…!これは新生児黄疸とよばれるもので、原因には生理的なものから病的なものまでさまざまです。今回は新生児黄疸について、症状を写真付きで紹介し、その原因疾患から検査方法・治療方法まで徹底的にご紹介していきます。

1人の医師・医学生がチェック済み

新生児黄疸とは

原因は赤血球の代謝産物「ビリルビン」

新生児黄疸とは産まれてから4週間未満の赤ちゃん(新生児)に生じる黄疸です。
黄疸とは白目や皮膚や黄ばむもので、これは赤血球の代謝産物である「ビリルビン」の増加が原因です。

黄疸はいつまで続くの?

産まれたばかりの赤ちゃんの90%以上には「生理的黄疸」といって、生後3日頃に黄疸が生じます。
生理的黄疸は健康な赤ちゃんにもみられるもので、2週間ほど経つと自然に消えていきます。
したがって、産まれてすぐ黄疸がみられた場合や、生理的黄疸の範囲を超えて黄疸が続く場合は、何か病気が隠れているかもしれません。

【写真付き】症状

白目や肌が黄ばむ

新生児黄疸 白目や肌が黄ばむ
出典:www.google.co.jp

名前の通り、黄疸では白目や肌が黄色く変色します。
ビリルビンは黄色い色素であるため、この色素が血液中に大量に溶け、身体に溜まっていくことで、このような変化が生じるのです。

白いうんち

新生児黄疸 白いうんち
出典:akachanikuji.com

古くなった血液は脾臓という臓器で分解され、その代謝産物としてビリルビンが生じます。
ビリルビンは通常、血管を通って肝臓まで運ばれ、肝臓で胆汁という消化液と混ぜ合わされます。
この胆汁は腸管に分泌され、便と一緒に排泄されることで、便が着色されています。

この経路になんらかの異常が生じていると、ビリルビンは便として排泄されず、身体の中に留まってしまいます。
この結果、うんちが着色されず、白っぽいうんちが出ることがあります。

色の濃い尿

新生児黄疸 色の濃い尿
出典:bizindou.com

一方、尿は血液が腎臓でろ過されて作られる液体です。
血液中のビリルビン量が増加すると、それだけ尿中に濾されるビリルビンの量も増加します。
黄色い色素であるビリルビンが大量に尿中に放出されることで、尿の色が濃くなることがあります。

発熱

色の変化に加えて、倦怠感や発熱がみられることもあります。
赤ちゃんの機嫌がいつまでも悪い場合、病気が隠れているかもしれません。

よく寝る子は要注意

新生児黄疸では、脳にビリルビンが沈着して意識障害が起こることがあるますが、この場合眠ったように見えるため、よく寝る赤ちゃんは注意が必要です。
赤ちゃんはよく寝るものですが、1回1回の平均睡眠時間は2時間ほどです。
数時間寝続けている場合は要注意です。

新生児黄疸の種類

ビリルビンは、直接ビリルビンと間接ビリルビンの2種類あります。
直接ビリルビンの上昇により新生児黄疸をきたす原因には、胆道閉鎖症などの消化管の奇形が含まれます。
一方、関節ビリルビンの上昇では、新生児溶血性貧血や生理的なもの、母乳によるものなどが含まれます。

新生児溶血性黄疸

新生児黄疸 新生児溶血性黄疸

お母さんと血液型の相性が悪かったり、感染症などにかかっていると、免疫細胞が赤ちゃんの赤血球を攻撃してしまうことがあります。
赤血球が破壊されることで大量のビリルビンが放出されることから、赤ちゃんは黄疸を示し、また貧血の症状も現れます。

生理的な黄疸

赤ちゃんはお腹にいる間はお母さんの血液を介して栄養を受け取ればよかったものが、産まれてくると自分で栄養を取り入れなければいけなくなるため、お腹にいる間と産まれてきてからでは、赤血球の種類が異なります。
古くなった赤血球は、産まれた後3日ほどかけて処分されます。
このとき、破壊された赤血球の中から大量にビリルビンが放出されるため、赤ちゃんは一時的に黄疸を示します。
これは何か病気があって黄疸が現れているわけではないので、「生理的な黄疸」といわれています。
前述した通り、通常生後3日頃に出現し、2週間程度で消失します。

母乳性黄疸

新生児黄疸 母乳性黄疸
出典:www.amoma.jp

母乳を飲まないことが原因?

母乳による栄養不足が黄疸を引き起こすと考えているお母さんもいるようですが、それは間違いです。
母乳中には、ビリルビンの代謝を抑える働きがあり、生後1週間ころから黄疸が現れることがあります。

完全母乳はよくないの?

だからといって、母乳が赤ちゃんにとって悪いというわけではありません。
ビリルビン自体は身体に有害なものではないので、一時的にビリルビン量が増えても赤ちゃんに悪影響は与えません。
母乳黄疸は1~2か月続きますが、母乳を与えている=母乳黄疸と安易な判断はせず、母乳黄疸以外の病的な黄疸ではないということをしっかり検査しておくことが必要です。

注意点:母乳不足

母乳をあげると赤ちゃんが黄色くなってしまう、それを恐れて母乳を与えなくなってしまわないよう注意してください。
母乳には栄養の他、お母さんのもっている免疫を赤ちゃんに分けてあげる働きもあります。
母乳が不足すると、赤ちゃんの成長に影響を与えるだけでなく、健康面も損なってしまう可能性があります。
また、母乳をあげるという行為は赤ちゃんとお母さんとの間に愛情を育むという重要な働きもあるので、黄疸を恐れず、母乳を与えてあげてください。

胆道閉鎖症

新生児黄疸 胆道閉鎖症
出典:ufuso.jp

胆道とは肝臓から腸管までの通り道であり、肝臓で作られた胆汁はビリルビンと混ざった後、胆道を通って腸管に分泌されます。
胆道閉鎖症は先天的な奇形で、お腹にいる間にこの胆道が上手く形成できず、塞がってしまっている状態です。
胆汁の排泄が行えないためにビリルビンの排泄量も低下し、この結果黄疸が引き起こされます。

核黄疸

血液中のビリルビン量が増えると、脳の中の組織に沈着してしまうことがあります。
すると、脳や神経が障害され、身体に麻痺が生じるなどの症状が現れてしまいます。
発熱や意識の障害、けいれんなどがみられた場合は、核黄疸の可能性が考えられます。
また、低血糖や低体温、感染状態、呼吸障害など身体の弱い赤ちゃんでは、核黄疸のリスクが高まることが知られています。

後遺症として、脳性麻痺が生じると、筋肉を支配する神経が障害されることで、障害にわたって運動障害が残ることがあります。

がんになる可能性はある?

黄疸というと一般的に想像されるのは肝臓や上記で紹介した胆道の病気です。
肝臓はビリルビンの処理を行う臓器です。
そのため、一般に黄疸がみられた場合は肝硬変や肝臓がん、または胆道に関する疾患などが疑われます。
ただし、肝硬変や肝臓がんは肝炎ウイルスや脂肪肝などのために長期間肝臓で炎症が起こった結果生じるものであり、新生児黄疸で血中のビリルビン値が上昇するのとはわけが違います。
産まれたばかりの赤ちゃんが肝臓がんになることはまずありません。
胆道に関する疾患も、新生児の場合には胆道閉鎖症などが主であり、がんをすぐにおこしやすい疾患ではありません。

検査方法

経皮的ビリルビン検査

新生児黄疸 経皮的ビリルビン検査

ミノルタ黄疸計でビリルビンの上昇をみる

ミノルタ黄疸計は体温計のような機械で、皮膚に当てるだけで簡単にビリルビン濃度を調べることができます。
ビリルビンは出生後24時間を経過しても10mg/dl以上が持続する場合、生理的な黄疸の範疇を超えていると考えられます。

ビリルビンの正常値、平均値

赤ちゃんのビリルビンの正常値は5mg/dlです。
成人の正常値は0.2~1.2mg/dlであり、成人と比べて高い数値を示します。
これは赤ちゃんには生理的な黄疸が生じるためです。
産まれてすぐの赤ちゃんは12~15mg/dl(平均値:13mg/dl)を示すこともありますが、一時的であれば問題なく、徐々に低下していきます。

血液検査

新生児黄疸 血液検査

出生後24時間以内に黄疸がみられる場合は新生児溶血性黄疸が疑われます。
採血を行って血液型を調べ、また血液中の赤血球を顕微鏡で観察することで、赤血球の形を確認して、赤血球が破壊されていないかどうかを確認します。

数値が下がらないときは

10mg/dlまでは経過観察ですが、10mg/dlを超えると治療の介入が必要になります。
10~15mg/dlの範囲であれば光線療法、15mg/dl以上であれば交換輸血が行われます。
治療法については後述します。

ビリルビンが19以上だった場合

かなり高値であり、生理的な黄疸の範疇を超えています。
治療法としては交換輸血の適応となります。
核黄疸によって脳や神経に障害が生じてしまうのを防ぐためには、早期の治療介入が欠かせません。

治療方法

ガイドラインでは、胆道閉鎖症のように原因が明らかで治療可能であれば、その原因に対しての治療を行うことになっています。
原因の病気が確認できない場合、放置すると核黄疸を引き起こす可能性があるため、血液中のビリルビン量を低下させるための治療が必要になります。

光線療法

新生児黄疸 光線療法
出典:home.att.ne.jp

ビリルビンは光を当てると代謝されやすい形に変化します。
この性質を利用し、皮膚に緑色の光を当てて治療を行います。

適応となる基準値

以下のグラフ・表をご参照ください。

たとえば、体重2,000gの赤ちゃんで生後5日の時点でビリルビンが20以上だった場合、体臭1400gの赤ちゃんで生後24時間以内にビリルビンが8だった場合、これらの例では光線療法の適応となります。

新生児黄疸 適応となる基準値
出典:www.sanolc.com
新生児黄疸 適応となる基準値

お母さんの退院後も続く

治療のためにはお母さんの退院後も赤ちゃんの入院が必要であるため、母子分離の状態が続きます。
寂しい思いが続くことも予想されますが、理解しておく必要があります。

副作用防止にアイマスクで目を保護する

副作用としては、発疹や下痢などの症状が現れることがあります。
また、太陽の光を見続けると目によくないのと同じで、光線療法中も目にかかる負担を減らす必要があります。
このため、治療の際に赤ちゃんはアイマスクを着けて目を保護します。

交換輸血

交換輸血は、赤ちゃんの血液を抜き取り、同じ量の血液を輸血する方法です。
光線療法だけでは不十分な場合、血液中の過剰なビリルビンを除去する、また赤ちゃんの赤血球を攻撃してしまう抗体を取り除くために交換輸血が行われることがあります。

副作用

副作用として、出血しやすくなる、または逆に血栓ができてしまう、発疹などのアレルギー反応、感染のリスクなどが挙げられます。

ガンマグロブリン大量点滴療法

新生児黄疸の原因が溶血性貧血である場合は、薬によって治療します。
溶血とは、免疫細胞が自分自身の赤血球を敵とみなしてしまうために生じるものであり、ガンマグロブリン大量療法では、免疫力の働きを抑えることで溶血の進行を抑えます。

治療費はどのくらいかかるの?

新生児黄疸 治療費はどのくらいかかるの?

費用は保険適用ですが、赤ちゃんの保険証を発行していない場合全額自己負担となり、一時的に数万円~十数万円かかります。
しかし、乳幼児には乳幼児保険証というものが発行され、この手続きが済めば医療費の大部分が返金されます。
地域によっては1割負担だったり、500円以上の医療費は自治体が負担してくれたり、あるいは無料に設定されているところもあります。
お住まいの地域の制度をご確認ください。

最終更新日: 2016-10-24

タグ:
新生児黄疸

記事に関するお問い合わせ

「皮膚の病気・症状」に関する記事

皮膚の病気・症状の記事は他にも多数!

【画像・写真付き】痔ろうって何?原因や症状、手術法まとめ
【画像・写真付き】痔ろうって何?原因や症状、手術法まとめ
子供の病気である水痘、大人も注意が必要!?その症状について解説
子供の病気である水痘、大人も注意が必要!?その症状について解説
痔ろうの初期症状とは?病院で行う検査・治療の体験談!
痔ろうの初期症状とは?病院で行う検査・治療の体験談!
【画像付き】切れ痔の放置は危険?悪化すると手術になる!?
【画像付き】切れ痔の放置は危険?悪化すると手術になる!?
新生児黄疸の原因とは?知っておきたい症状・検査・治療方法を詳しく解説!
新生児黄疸の原因とは?知っておきたい症状・検査・治療方法を詳しく解説!

人気の記事

ドクトルで人気の記事を集めました

人気のキーワード

今ドクトルで話題の病気の原因・検査方法・治療方法・予防方法を集めました。