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【チェックシート付き】月経困難症の原因とは?治療薬、ピルについて詳しく解説!

生理痛って辛いですよね。でもあまりにもひどい場合は月経困難症かもしれません。月経困難症には、思わぬ病気が潜んでいることもありますので注意が必要です。この記事では、月経困難症の治療薬やピルについて詳しく解説します。

1人の医師・医学生がチェック済み

月経困難症ってどんな病気?

月経困難症 月経困難症ってどんな病気?

日常生活に支障が出てしまうほどの生理痛

月経困難症とは、日常生活に支障が出てしまうほどの生理痛のことで、これは更に機能性月経困難症と器質性月経困難症という2種類に分類されます。

機能性月経困難症

機能性月経困難症とは、原発性月経困難症とも言われており、月経時に子宮内膜で分泌されるプロスタグランジンという物質が過剰に分泌されることによって、頭痛や嘔吐、腹痛などが引き起こされるものです。

器質性月経困難症

器質性月経困難症とは、続発性月経困難症とも言われており、子宮内膜症子宮筋腫子宮腺筋症などの病気が原因となって引き起こされるものです。

機能性月経困難症との違いは、機能性月経困難症がプロスタグランジンの過剰分泌という体の働き(機能)の異常であるのに対して、器質性月経困難症は他の病気(器質的な異常)が原因となっていることです。

原因はストレス?

機能性月経困難症の原因であるプロスタグランジンの過剰分泌は、ストレスも1つの原因になっていると言われており、ストレスによって自律神経や女性ホルモンのバランスが崩れてしまうことによって引き起こされます。

月経困難症の症状は?

機能性月経の場合には、プロスタグランジンが子宮や胃腸などの筋肉を収縮させて下腹部痛や吐き気などを引き起こすだけではなく、炎症や痛みも引き起こしてしまうため、頭痛や発熱を伴うこともあります。

器質性月経困難症の場合には、原因となる疾患によってプロスタグランジンが過剰に分泌されて同様の症状が起こる場合や、原因疾患そのものによる場合もあります。

セルフチェックシート

月経困難症 セルフチェックシート

以下の症状に4つ以上当てはまる場合は、月経困難症の可能性が高いので、早めに婦人科を受診するようにしてください。

また1つでも当てはまる場合には、何らかの病気が隠れていることもありますので、1度婦人科で相談することをお薦めします。

・鎮痛剤が必要なほどの生理痛がある。
・生理痛が、だんだんひどくなってきている。
・仕事や勉強、家事などができないほどの生理痛がある。
・生理中以外でも、下腹部痛や腰痛がある。
・排便やセックスのとき、痛みがある。
・市販の痛み止めを飲んでも、生理痛があまり治まらない。
・座り込んだり、横になったりするほどの生理痛がある。
・ひどい生理痛が、長く続く。
・生理中、頭痛や吐き気があり、思考能力がなくなってしまう。
・生理中、食欲がなくなってしまう。

月経困難症の検査方法

病院ではまず問診が行われ、自覚症状や月経の状態・周期、初経の年齢、セックス・妊娠・出産・流産・中絶経験などの有無、過去にかかった病気、現在服用中の薬などについて質問されます。

次いで尿検査や血液検査、内診(膣内や子宮入口の状態などを調べる)、血圧測定、超音波検査などを行い、器質性月経困難症であるかどうかを診断します。

そして、器質性月経困難症であると考えられる場合には、MRI検査やCT検査が行われ、原因となっている病気を診断します。

症状が軽度の場合は薬物治療が行われる

月経困難症 症状が軽度の場合は薬物治療が行われる

鎮痛剤

鎮痛剤は、プロスタグランジンの産生を抑える非ステロイド性抗炎症薬が用いられ、比較的軽度な月経痛に対してはアスピリンやバファリン、鎮痛効果が高くアスピリンやバファリンと比べると副作用も少ないものとしてロキソニン、強力な鎮痛効果と即効性が必要な場合にはボルタレンやポンタールなどが用いられます。

黄体ホルモン剤

黄体ホルモン剤は、主に子宮内膜症による月経困難症に対して用いられます。

子宮内膜症は、本来であれば子宮内で増殖するはずの子宮内膜が、卵巣内などの子宮内以外にも発生してしまう病気ですが、黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜を増殖させる卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用を抑制し、さらに子宮内膜症の病巣に直接作用して縮小させる効果があります。

そして、黄体ホルモン剤は黄体ホルモンを人工的に合成した薬で、最も新しいものにディナゲスト(ジエノゲスト)があり、従来の黄体ホルモン剤の副作用であったニキビや体重増加、むくみなどがなくなりました。

GnRHアゴニスト

この薬も、主に子宮内膜症や子宮筋腫による器質性月経困難症の治療に用いられます。

GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)とは、脳の視床下部から放出されるホルモンで、脳下垂体からのゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の分泌を促すことによって、卵巣からの卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を促しています。

そして、そのGnRHとよく似た作用のあるGnRHアゴニストを長期間投与することによって、脳下垂体がGnRHに反応しなくなるため、卵胞ホルモンと黄体ホルモンも分泌量が低下し、偽の閉経状態を作り出します。

症状が重度の場合はピルを使用

月経困難症 症状が重度の場合はピルを使用

ピルの効果は避妊効果だけじゃない

ピルには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)によく似た成分が含まれており、これを服用することによって排卵は停止され、脳下垂体はゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)を分泌しなくなります。

その結果、卵胞ホルモンが大量に分泌されなくなるため子宮内膜は厚くならず、月経時の出血も少なくなり、生理痛も軽減されます。

また、これらのホルモンの変化が少なくなるので、月経前症候群(PMS)と言われる乳房の痛みや張り、腰痛頭痛、イライラや無気力といった症状にも効果があります。

他にも、ホルモンバランスが整うことによる美容効果や更年期障害の改善や、排卵停止による卵巣への負担軽減によって卵巣がんや卵巣膿腫を予防する効果もあります。

ピルの種類

ヤーズ

ヤーズは、他の低用量ピルに比べて卵胞ホルモン(エストロゲン)の量がさらに少なくなっている超低用量ピルとして発売されたもので、吐き気などの副作用が起こりにくいとされています。

また、含まれている黄体ホルモン(プロゲステロン)が体内の黄体ホルモンの働きに近いドロスピレノン(DRSP)という合成ホルモンで、むくみの副作用が軽減されています。

ルナベル

ルナベルには、低用量ピルであるルナベルLDと超低用量ピルであるULDがあり、エストロゲンの量はルナベルLD>ヤーズ>ルナベルULDとなっています。

ルナベルULDは、ヤーズよりもさらにエストロゲンの量が少なくなっているため副作用は起きにくくなっていますが、ルナベルLDよりも不正出血が起こりやすいことが分かっています。

ピルを使用できない人

最近のピルは低容量化が進み、副作用は少なくなってきていますが、次のような人は、ピルを使用することができません。

乳がん、子宮体がんに罹っている人
・原因不明の性器出血がある人
血栓症を起こしたことのある人
・35歳以上で1日に15本以上タバコを吸う
・前兆を伴う偏頭痛のある人
血液が固まりやすい体質の人
・4週間以内に手術を予定している人や2週間以内に手術をした人
・産後4週間以内の人
・重篤な肝機能障害や肝腫瘍のある人
高血圧の人
妊娠中または授乳の人

費用は治療目的なら保険適用に

月経困難症 費用は治療目的なら保険適用に

先ほどご紹介したヤーズとルナベルは、月経困難症の治療薬として保険適用されています。

避妊目的なら保険適用外

しかし、月経困難症などの病気がなく、単に避妊目的の場合には保険適用が認められていません。

気になる副作用は?

まれに起こる重篤な副作用、血栓症

まれに起こる重大な副作用として血栓症が挙げられます。

海外の調査によると、低用量ピルを服用していない女性の血栓症リスクが年間10000人のうち1~5人であるのに対し、服用している女性の血栓症リスクは3~9人と報告されています。

確率は決して高くはありませんが、発症してしまうと重篤な病気ですので、早期発見のためにも定期的な健診が望まれます。

また、血栓症は喫煙によって発症率が高くなりますので、リスクを下げるためにも禁煙することをお薦めします。

2.海外の疫学調査によると、低用量ピルを服用していない女性の静脈血栓症発症のリスクは年間10,000人あたり1-5人であるのに対し、低用量ピル服用女性では3-9人と報告されています。

引用元: www.jsog.or.jp

起こりやすい副作用

起こりやすい副作用としては頭痛や吐き気、乳房の張りや体重増加、にきび、出血、微熱などがありますが、これらの症状は服用を続けることで徐々に治まってきます。

ピルをやめるとどうなる?

結論から言ってしまうと、ピルをやめると飲み始める前の体の状態に戻ります。

具体的には排卵が再開されますので妊娠が可能となりますし、もちろん赤ちゃんへの影響などもありませんが、月経困難症も再発する可能性があります。

ピルはいつまで飲むべき?

ピルは、血栓症などのリスクがなければ閉経するまで服用することができますが、ピルを服用している間はピルのホルモンによって月経が来てしまうため、閉経しているのかどうかわかりません。

したがって、閉経しているかどうかを確認するためには、50歳前後になったら一旦ピルの服用を中断して血液検査を受ける必要があります。

死亡例があるってホント?

月経困難症 死亡例があるってホント?

残念ながら、国内でも低用量ピルの服用者が副作用である血栓症によって亡くなったケースが報告されています。

低用量ピルの服用者のうち、血栓症を発症する確率は年間10000人中3~9人であり、そのうち血栓症によって死亡に至るケースは100人に1人程度存在するため、低用量ピルの服用者が血栓症で亡くなる確率は10万分の1以下になります。

2.海外の疫学調査によると、低用量ピルを服用していない女性の静脈血栓症発症のリスクは年間10,000人あたり1-5人であるのに対し、低用量ピル服用女性では3-9人と報告されています。

3.カナダ産婦人科学会によると、静脈血栓症発症により、致死的な結果となるのは100人あたり1人で、低用量ピル使用中の死亡率は10万人あたり1人以下と報告されています。

引用元: www.jsog.or.jp

血栓症を発症しないためには

血栓症は、ピル服用開始後の数箇月間に発症リスクが高いため、中断しない方が良いとされています。

また、喫煙や高年齢、肥満はピルによる血栓症の発症リスクが高いとされていますので、注意が必要です。

注意を要する症状

ピルの服用中に、以下の様な症状が現れた場合は血栓症を発症している可能性がありますので、すみやかに循環器科などの医療機関を受診してください。

・激しい腹痛
・激しい胸痛、息苦しさ、押しつぶされるような痛み
・激しい頭痛
・見えにくいところがある、視野が狭い
・舌がもつれる
・失神、けいれん、意識障害
・ふくらはぎのむくみや痛み、握ると痛い、赤くなっている

市販はされてる?

国内では市販されていないので、医師に診察を受けた上で処方箋を出してもらって購入することになります。

通販で海外から取り寄せることは可能ですが、はじめて服用する場合には副作用についての説明や、服用しても安全かどうかの判断を医師にしてもらえるので、産婦人科などの受診をお薦めします。

効かないこともある?

効果が全くないということはほとんどありませんが、ピルはあくまでも生理痛を軽減するためのものであり、完全に生理痛がなくなるとは限りません。

これは、痛みに対する個人の感受性の違いもありますし、もともとの症状の重さも人それぞれですので、効果の感じ方も人によって様々です。

ただし、副作用の吐き気によって、ピルを戻してしまっている場合は効果も得られにくいので、処方していただいた先生に相談しましょう。

妊娠希望やピルが使えない場合は漢方薬という選択肢も

月経困難症 妊娠希望やピルが使えない場合は漢方薬という選択肢も
出典:pixta.jp

漢方薬の効果とは

妊娠を希望している場合や血栓症のリスクがあるなどの理由で、ピルを服用することができない場合には漢方薬という選択肢もあります。

漢方医学では、月経困難症は血(ケツ)が滞る「お血」と血が不足している「血虚」の症状として考えられているため、血の流れをよくしたり、血を補う漢方薬が用いられます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

桂枝茯苓丸には、のぼせや頭痛に良いとされる桂皮、痛みをとる芍薬(シャクヤク)、気分を落ち着けて余分な水分を取り除く茯苓、血流を良くする桃仁(トウニン)と牡丹皮(ボタンピ)の5つの生薬が配合されています。

主に、体格のしっかりした、病気に対する抵抗力の強い「実証」タイプの人に用いられます。

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)

当帰芍薬散には、血流をよくして貧血を改善し体を温める効果のある当帰と川きゅう(センキュウ)、痛みをとる芍薬、余分な水分を取り除く蒼朮(ソウジュツ)と沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)の6種類の生薬が配合されています。

主に、細くて色白、病気に対する抵抗力があまり強くない「虚証」タイプの人に用いられます。

費用はどれくらい?

ツムラの桂枝茯苓丸(32日分)の場合、参考価格は7020円ですが、通販で購入すると約4000円で購入することができます。

また、ツムラの当帰芍薬散(32日分)の場合、参考価格は7020円ですが、通販で購入すると約3500円で購入することができます。

ちなみに、病院でツムラの当帰芍薬散を処方してもらった方によると、1ヶ月分が診察料込みで2260円だったそうです。

実際に病院での診察と、処方箋でかっかった3割負担分の費用です。
ツムラの漢方23『当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)』が1ヶ月分で2260円。

最終更新日: 2017-04-16

タグ:
月経困難症

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