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切れ痔の症状には薬で対処!完治を目指すなら手術という選択肢も

切れ(裂肛)は、硬い便が通るときに肛門に傷がつく状態で、年齢や性別にかかわりなく発病が見られます。数日で自然治癒する場合もあれば、自分で治すことも可能ですが、慢性化すると治りにくくなります。

切れ痔とは

痔 切れ痔とは
出典:dscope.jp

便秘をしていて硬い便を出すときや、下痢による水様便が高い圧力で排出されるとき、肛門の皮膚に傷がついて、出血を伴う痛みが起きます。

切れは、赤ちゃん~高校生に多く見られるほか、妊婦や子育て中の女性は高い頻度で発症します。
切れ痔全体の中では男性や高齢者の発症率は低めですが、あらゆる年代の男女に見られます。

痔には、切れ痔(裂肛)、いぼ痔(痔核)、あな痔(痔瘻)の3種類があり、出血は切れ痔だけでなくいぼ痔でも見られます。
痛みとともに便器内が赤く染まるほど多く出血する場合は、いぼ痔を併発していると考えられます。

切れ痔の原因は何?

痔 切れ痔の原因は何?
出典:binotetujin.com

切れ痔は、硬い便の通過や下痢によってできる傷、肛門腺の感染、血行障害などの要因によって起こると考えられます。
もともと肛門が狭い人は切れ痔になりやすいといわれます。

また、発症に至る過程には、自律神経も関係しています。
自律神経はストレスで乱されますが、強いストレスが続くと免疫が低下して炎症が起き、切れ痔を発症しやすくなります。
強いストレスの代表的なもののひとつに排便時の痛みがあり、そこに冷えやうっ血が重なると、血行不良により症状が進行します。

まれに、大腸や直腸に炎症が起きる病気やクローン病のような病気が原因で切れ痔ができる場合もあります。

女性の切れ痔

痔 女性の切れ痔
出典:binotetujin.com

女性は、ホルモンや腹筋の弱さなどから、もともと便秘しやすいといわれます。
ダイエットをすると便のかさが減って便通が悪化し、ますます切れ痔になりやすくなります。
そのため、20~40歳代の女性に、もっとも切れ痔が起きやすいといわれます。

特に妊娠中は、黄体ホルモンという女性ホルモンが盛んに分泌され、腸の動きを抑制するため便秘がちになります。
また、赤ちゃんの重みによってうっ血が起こることも便秘の原因になります。

出産のときは、いきむことによって切れることが少なくありません。
さらに、出産後は、授乳で水分を奪われるため、水分不足で便が硬くなりがちです。
そこに育児のストレスなどが加わって便秘すると切れ痔になるリスクが再び高まります。

子供の切れ痔

矢印の部分に裂け目が見える子供の切れ痔

矢印の部分に裂け目が見える子供の切れ痔

出典:www.jsps.gr.jp
腫れていぼのように盛り上がった見張りいぼ

腫れていぼのように盛り上がった見張りいぼ

出典:www.jsps.gr.jp

理由は不明ですが、満1歳に満たない赤ちゃんや幼児にも切れ痔は多く見られます。
赤ちゃんやこどもの血便の原因としてもっとも多いのが切れ痔です。

中学生や高校生などの世代は、体調の変化などで便秘が頻繁に起こりますが、学校のトイレには行きたくないなどの理由から我慢してしまって便が硬くなり、切れ痔を起こしている例も見られます。

ただし、肛門の粘膜にできる傷口は治りやすいのが特徴です。
15歳以下の子供の切れ痔は小児科で対応しますが、便通を改善するだけで裂傷の繰り返しがなくな り、肛門のひだが腫れる見張りいぼ(皮垂)も小さくなって完治するケースが少なくありません。

こんなときは専門医に相談

痔 こんなときは専門医に相談

頻繁に繰り返すときは、クローン病や他の炎症性の病気が原因となって切れ痔が起きている可能性があります。
また、排便後、トイレットペーパーに膿(うみ)がつく場合は、切れ痔が化膿しているのかもしれません。

あるいは、あな痔ができている可能性もあります。
あな痔になってしまった場合は、自宅で治すことはできないので、すぐに肛門科を受診しましょう。

症状

出血

痔 出血
出典:www.ak-arima.com

切れ痔は、排便時に出血を伴う痛みがありますが、出血量は多くはありません。
トイレットペーパーにわずかに鮮血がつくか、便に少量の血がつく程度であるのが一般的です。
出血量が多い場合は、大半がいぼ痔を併発しています。

痛み

肛門のあたりは神経が集まる繊細な部分であり、排便の際はそのあたりの筋肉が伸びるため、小さな裂け目があるだけでも激痛を感じます。
痛くないのに出血だけする場合は、他の病気が疑われます。

かゆみ

切れ痔では、痛みだけでなく、肛門部にかゆみやヒリヒリ感がある場合もあります。

腫れ

痔 腫れ

傷口から炎症が起きて、肛門の外側のひだが腫れあがってできた突起物を、見張りいぼといいます。
これは、いぼ痔によく似ていますが、切れ痔によってできるもので、いぼ痔とは別ものです。

残便感

人によっては、排便しても残便感が残る場合があり、それが大きなストレスとなり、便秘が悪化するということにもなりがちです。

臭い

便座に腰かけたときに異臭がする場合や、排便後、トイレットペーパーに膿(うみ)がつく場合は、切れ痔が化膿しているか、あな痔ができている可能性があります。

こんな症状に気づいたら

排便による痛みを避けようとして我慢するようになると便秘になりやすく、硬い便を無理に力んで出そうとして再び肛門を傷つけるという悪循環に陥りがちです。

このような状態になったら、日常生活の中で切れ痔のリスクを減らし、便通をよくしていく必要があります。
食事、運動、トイレ習慣、入浴など、生活習慣全般の見直すとともに、クリームや軟膏でケアし、しばらく続けても改善しない場合は肛門科を受診します。
別の病気がある場合は、まずその病気から治療します。

65歳以上になると、便秘しやすくなる傾向がありますが、切れ痔は多くありません。
高齢者に痛みを伴う出血の症状が見られる場合は、他の病変が疑われます。

経過

切れ痔は、はじめのうちはごく薄い裂け目ですが、繰り返しているうちに傷口がだんだん広がっていきます。
慢性化すると、傷口が広く深くなって炎症や潰瘍が起きやすくなります。
傷口が化膿してしまった場合は、そこからあな痔ができる場合もあります。

肛門科での診断

肛門科に行くと、問診の後で視診と触診が行われます。
専門医が視診をすればすぐに切れ痔と診断がつきますが、直腸指診、内視鏡、肛門鏡の挿入などにより、潰瘍化の程度やポリープの有無、痔瘻や痔核の併発の有無などを調べます。

治療期間

痔 治療期間

切れ痔のおよそ半分程度は自然に治るともいわれ、初期であれば数日~1週間で治ります。
再発を繰り返して慢性化してしまうと、完治までに数週間~数か月かかるようになります。

肛門ポリープや見張りいぼができるようになると、肛門がだんだん狭くなり治りにくくなります。
排便時の出血があまりなくても、排便後、ジーンとした痛みが何時間にもわたって続くようになると、薬だけでは治りにくいとされます。

薬で治す方法

切れ痔の治療は、坐薬、軟膏や注入軟膏、軟便剤を使った薬物療法が基本です。
坐薬は肛門から入れ、軟膏は肛門周辺の患部に直接塗ることで、炎症を抑えたり止血したりします。
飲み薬の軟便剤は、便を柔らかくして排便時の痛みを軽減します。

市販薬で治すには

皮膚を保護するクリームや軟膏

痔 皮膚を保護するクリームや軟膏

切れ痔は、皮膚がかさついたり手が荒れたりするのと同じように、皮膚のトラブルともいえるものです。
ニベアのようなクリームや、ワセリンやハンドクリームでもケアできます。

オロナインのような軟膏、漢方薬の紫雲膏などは、患部に塗ると薄い膜がバリアのように働いて、傷口が広がるのを防ぐとともに、排便の際には潤滑油としても機能するため、日常的なケアと予防に向いています。

傷口を治し症状を緩和する薬

痔 傷口を治し症状を緩和する薬

軟膏や注入軟膏、坐薬などがありますが、いずれも傷口を治す成分が含まれています。
例えば、患部の痛みやかゆみを抑えるリドカイン、出血や腫れを抑える塩酸テトラヒドロゾリン、炎症を抑えるステロイドの一種ヒドロコルチゾン酢酸エステル、傷の治りを助けるアラントインなどです。

これらの成分を含む薬を適切に使えば高い治療効果が期待できますが、15歳未満の子供や、妊婦、授乳中の女性は使えないものが多いので、注意が必要です。
また、ステロイド配合薬は、細菌感染や化膿がある場合は使えません。

症状を緩和する効果のある生薬を配合したレンシンのような飲み薬も市販されています。

おすすめの市販薬

痔 おすすめの市販薬

痔の治療薬として市販されているものには、ボラギノール、プリザエース、リシーナ、オシリアなどがあります。
これらの市販薬をしばらく使用しても改善しない場合は、肛門科で診てもらい、医師に薬を処方してもらいましょう。

医師の処方で使われる薬

ボトックス注射

痔 ボトックス注射
出典:www.ypod.info

医療機関によっては、括約筋の緊張が強く慢性化している場合に、筋肉を弛緩させる目的でボツリヌス毒素を使うボトックス注射も行われています。

必ずしもすべての人に効果があるわけではありませんが、短時間で血行が改善し、痛みが消失して治癒するケースも少なくありません。
冷え性、低血圧などで血行障害がある場合や、肛門括約筋緊張体質の場合は、手術を検討する前に試してみるとよいでしょう。

その他の薬

静止肛門管圧を低下させる局所用カルシウムチャネルブロッカーや、内肛門括約筋を緩めるニトログリセリン軟膏は、慢性化した切れ痔に有効性が高いとされ、海外では広く使用されています。
ただし、頭痛などの副作用が起きやすいとされ、日本ではほとんど使用されていません。

手術

薬による治療を続けても改善が見られない場合は、手術が検討されます。

さまざまな手術法

痔 さまざまな手術法
出典:www.ypod.info

症状や状態により以下のような手術法の中から最適な手術が行われますが、レーザー機器などを用いる治療では保険適用にならないケースもあります。

側方内括約筋切開術

肛門括約筋の緊張が強いために広がりにくくなった部分を小さく切開します。

用指肛門拡張術

括約筋の緊張を緩めることを目的に、麻酔をしてから指で肛門を広げます。

裂肛切除術

切れ痔の傷ができている部分を切除します。

遊離皮膚弁移植手術

肛門狭窄症になっている場合は、切れ痔、繊維組織、瘢痕組織を全部切除し、欠損部に肛門の外側の皮膚をスライドさせる手術を行います。

再発予防のために

痔 再発予防のために
痔 再発予防のために

再発を防ぐには、生活習慣を見直してストレスを避け、便通を整えることが何よりも大切です。
そのために必要な10か条を以下にまとめました。

  • 食物繊維、オリゴ糖などを取り入れた食事で腸内環境を良好に保つ
  • 朝食をきちんと食べて決まった時間にトイレに行き、排便のリズムをつくる
  • 便意を催したら我慢しない
  • トイレで強くいきまない
  • トイレットペーパーでごしごし強くふかない
  • なるべくシャワートイレを使う(ただしあまり強く洗いすぎない)
  • 足腰の筋肉や腹筋を使う適度な運動をする
  • 排便後痛むときは、肛門を中心に温める
  • おしりが冷えるような場所に座り続けない
  • お酒や辛い物は控えめにする

最終更新日: 2017-04-16

タグ:
痔瘻(肛門周囲膿瘍) 痔核

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