
糖尿病の原因と症状とは?原因で分類される糖尿病4タイプ
糖尿病は国民の5人に1人が患者または予備軍だといわれる病気です。糖尿病の初期は気づかれにくく重症化の可能性もあります。糖尿病とは、どのような原因で発症する病気なのでしょうか?ここでは、原因別にみられる4つのタイプの糖尿病と症状について紹介します。
糖尿病はどうしてなるの?

私たちの体は、炭水化物などの糖質が体内に取り込まれると、消化されてブドウ糖(グルコース)になります。
ブドウ糖は血液にのって全身に運ばれ、体の主なエネルギー源となり利用されます。
血液中のブドウ糖のことを血糖といい、血液中に含まれるブドウ糖の量は血糖値であらわされます。
食事で炭水化物などの糖質を摂取すると血糖値は高くなりますが、運動などでブドウ糖をエネルギーとして消費すると血糖値は低くなります。
血糖値は、インスリンやインスリンとは逆の働きをもつホルモンの作用で一定の範囲に保たれていますので、通常は食事や運動で極端に血糖値が変化することはありません。
インスリンとは、筋肉や肝臓などにブドウ糖を取り組むことで血糖値を下げる唯一のホルモンです。
インスリンの作用が十分に働かずブドウ糖が有効に使われないため、血糖値が高くなっている状態を高血糖といいます。
糖尿病の症状とは?

軽症の糖尿病では自覚症状は少ないですが、血糖値の高い状態が続いてくると次のような症状があらわれます。
●尿の量が多くなる、多尿
●のどが渇きやすく水分をたくさんとる
●体重が減少する
●疲れやすくなる
高濃度の糖を水分と一緒に体外に排出するため多尿になり、脱水が進んでのどが渇くようになります。
また、インスリンがうまく働かないとブドウ糖をエネルギーとして利用できなくなり、その代わりに筋肉や体脂肪のタンパク質を利用するので体重が減少し、エネルギー不足により疲れやすくなります。
原因で分類される4つのタイプの糖尿病

1型糖尿病
インスリンは膵臓で作られていますが、何らかの原因で膵臓の細胞が壊されてインスリンが作られなくなり発症する糖尿病です。
発症は子供や若年層に多くみられます。
2型糖尿病

インスリンの分泌が少なくなり、機能が低下することで起こる糖尿病です。
中高年に多くみられますが、近年は若年層でも発症が増えています。
日本ではもっとも多い糖尿病であり、糖尿病患者の約95%が2型糖尿病とされます。
原因の一つに、日本人は遺伝的にインスリンの分泌の弱い人が多いことがあります。
遺伝的な要素に加えて、加齢、高脂肪の食事、過食、運動不足、ストレス、肥満、喫煙などの生活習慣が加わることで発症するとされており、2型糖尿病は生活習慣病とも呼ばれる病気です。
他の病気などが原因の糖尿病
血糖を下げる働きをもつインスリンは、膵臓から分泌されているホルモンです。
膵臓が疾患などの原因で機能が低下すると、インスリンの分泌量が減少して糖尿病を発症します。
膵疾患の一つに、アルコールの過剰摂取などにより膵臓が破壊されてしまう、膵炎があります。
膵炎によってインスリンが分泌できなくなり、インスリン治療が必要になります。
その他にも、遺伝子の異常やステロイド薬の服用などが原因で、血糖値のバランスが乱れてしまい糖尿病を発症することもあります。
妊娠糖尿病
妊娠中はホルモンの働きにより、インスリンを十分に作ることが出来なくなることがあり、糖質代謝異常で血糖が上昇します。
妊娠中の高血糖は、わずかなものでも胎児に影響をあたえるため、糖尿病にはいたらなくても妊娠糖尿病と呼びます。
さいごに
糖尿病は初期症状が少なく気づかれにくい病気です。
進行すると重症化の可能性もありますので、定期的な健康診断で健康管理をおこないましょう。
最終更新日: 2016-07-24
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