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糖尿病性腎症の病期とは?5つのステージの症状や治療法を解説します!

糖尿病の3大合併症のうちの一つである「糖尿病性腎症」。進行していくにつれて日常生活上で大きな制約や苦労が生じる病気です。ここでは各ステージで見られる症状と病気がどのように進行していくのか説明していきます。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症とは、糖尿病によって起こる腎臓病のことです。
腎臓は血液をろ過し余分な老廃物を取りのぞいて尿として排泄する働きがあります。
高血糖の状態が続くと腎臓のろ過機能を担っている糸球体と呼ばれる部分の機能が低下します。

糸球体は毛細血管が集まってできた球体状の集まりで、推算糸球体ろ過量とは腎臓がどれだけ働いているかを表しています。

糸球体が高血糖によりダメージを受けると、ろ過機能が低下し老廃物がスムーズに排泄されず体内に蓄積されはじめます。
そして本来は排泄されないたんぱく質や赤血球、白血球が尿と一緒に排出されてしまいます。

つまり、血液のろ過機能が障害されることで体に不要なものが排泄されず体に必要なものが排出されてしまうのです。

糖尿病性腎症の病期とは?

糖尿病性腎症 糖尿病性腎症の病期とは?

糖尿病腎症は尿たんぱく、尿中アルブミン、クレアチニンなどにより診断され、重症度によって1期~5期に分けられます。
3期に前期、後期と分けられていましたが現在では変更されています。

腎症前期

症状

1期は、微量アルブミン尿検査が正常で推算糸球体ろ過量(eGFR)も正常な時期です。
eGFRは性別、年齢、血清クレアチニン値から計算することができます。
微量アルブミン尿検査は、糖尿病性腎症の初期に尿中に出てくるアルブミン(たんぱく質)を検出する検査です。
自覚症状はありません。

血清クレアチニンとは、腎臓から尿に排泄される代表的な老廃物で、腎機能が低下するにつれ血液中に増えてきます。
クレアチニンそのものは有害ではありませんが、その濃度は腎機能の健常度を表す目安になります。
血清クレアチニンは血液検査で調べることができます。

引用元: kanja.ds-pharma.jp

治療方法

糖尿病性腎症 治療方法

血糖コントロールに専念し、食事療法や運動療法などを続けます。
また、血圧が高くならないように塩分を控え、タンパク質も過剰に摂取しないようにします。
加工物は塩分を多く含んでいる物もあるため生の食材を選ぶと良いでしょう。

早期腎症期

症状

2期は、腎機能の低下が進行し尿中のアルブミン量が増加します。
尿中に微量アルブミンが出始めてからだいたい3~5年で3期の顕性腎症期に移行すると言われています。
尿にたんぱく質が混ざるようになるものこの時期です。

この状態を放置すると、尿にアルブミンが大量に含まれるようになります。
そうすると血液中のアルブミン量が減少し、「ネフローゼ症候群」と呼ばれる症状が起こります。

ネフロ-ゼ症候群は正確には病名ではありません。

尿蛋白が1日3.5g以上を呈し、血液の中で最も多いアルブミンと言う蛋白質が減少し、3.0g/dl以下(正常は4.0g/dl以上)に低下した場合をネフロ-ゼ症候群と呼んでいます。
アルブミンが減少するとむくみ(浮腫)、と言う共通の症状が見られるためネフロ-ゼ症候群と言う呼び方をするわけです。

引用元: plaza.umin.ac.jp

治療方法

糖尿病性腎症 治療方法
出典:aga48.seesaa.net

血糖値の管理をしっかりおこないます。
血圧が高ければ減塩、薬の服用によってコントロールします。
たんぱく質摂取量は、1日に標準体重1kgあたり1.0~1.2gを超えないようにするそうです。
この数値は、糖尿病の食事療法をきちんと守れば実現可能なようです。

顕性腎症期

症状

3期は、腎機能が著しく低下し、ろ過機能がおこなわれずに血液中に老廃物や水分が増加します。
さらに進行すると腎不全になります。
症状や治療法が少し異なるため前期と後期に分けて記載します。

前期

尿たんぱくの検査が陽性になりますが、尿タンパクの量はまだ1日1g以下のようです。
糸球体ろ過量は正常範囲内か少し低下しています。
この時期に血圧の上昇が見られることがあります。

後期

腎機能を表す検査値である、クレアチニンクリアランスが60mg/dL未満に低下したり、尿たんぱくが1日に1g以上出るようになります。
血圧の上昇と共に体にむくみが現れ始めることがあります。

治療方法

糖尿病性腎症 治療方法

前期

血糖コントロールをしっかり続けながら腎臓の治療にも重点を置きます。
減塩や薬物治療によって高くなりやすい血圧をコントロールしていきます。

食事療法では腎臓への負担を減らすため、たんぱく質摂取量が1日に標準体重1kgあたり0.8~1.0gを超えないようにして、さらに血圧が高くならないように塩分は7g程度にするそうです。

激しい運動は腎臓の血流量を増やして負担をかけるようなので控えましょう。

後期

血糖コントロールと更に腎臓を守ることに重点を置いた治療をおこないます。
降圧治療とたんぱく質摂取量を守る食事療法が基本となるようです。
 
食事療法では、たんぱく質の摂取量を制限することによって必要なエネルギー量を十分に摂取できなくなることがあり、その場合は炭水化物、脂質の摂取量を多くしてエネルギー量を補うそうです。

炭水化物を増やすことで血糖値が高くなるようであればインスリンを調節して管理をおこないます。
 
また、カリウムの排泄が滞りがちにるようなので、摂り過ぎに注意します。
むくみがある場合には水分摂取量の管理をおこないます。

腎臓の負担を考えると長時間の作業、疲れを感じるようなスポーツは避けて1日の疲れはその日のうちに解消できるように活動の時間を調整する必要があります。

腎不全期

症状

4期は、推算糸球体ろ過値(クレアチニンクリアランス)がさらに低下し、血清クレアチニンが上昇します。
多くの人で自覚症状に気付き始め、むくみが現れたり貧血になったりします。

体内に溜まった水分やカリウムが心臓に負担をかけたり尿毒症を生じる危険もあるので注意する必要があります。
人によってはネフローゼ症候群になるようです。

治療方法

引き続き血圧とたんぱく質摂取量を十分に管理しながら、腎臓の残存機能をできるだけ長く保つようにします。
血糖コントロールに飲み薬を服用していた人は、インスリン療法に切り替えます。
これは腎機能が低下していることで、飲み薬では薬の成分の排泄がうまくおこなわれず、コントロールが難しくなるからです。

以前からインスリン療法をしている人でも、低血糖を起こさないよう単位数の調節が必要になってきます。
インスリンの1単位は0.01mlです。

食事療法では、引き続き低たんぱくの食事を続け(1日に標準体重1kgあたり0.6~0.8g)、塩分摂取量はより少なめに管理します(1日5~7g)。
塩分カリウムの摂取量は1日1.5gを超えないようにします。
むくみや心臓の状態に応じて水分摂取量も制限します。
必要なら利尿薬が処方されます。

活動はなるべく控え、運動療法は軽い散歩程度が良いでしょう。

透析療法期

症状

5期は、腎臓がほとんど機能しなくなっている状態です。
生命維持のために血液をろ過する透析療法をおこないます。

治療方法

腎臓の働きは透析療法になるので、他の合併症の進行防止が治療の主な目的となります。
血糖コントロールと血圧コントロールは引き続きおこないます。

透析を始めると、たんぱく質の摂取制限はやや緩和されるようですが、カリウムや水分の摂取量は引き続き管理が必要とされます。
また、透析療法ではリンが排泄されにくくなるためリンの摂取量の調節が必要なそうです。

透析療法には、血液透析と腹膜透析という二つの方法がありそれに応じて食事療法の内容も少し異なるようです。
腎臓の状態や生活習慣などを考慮して決めるそうです。

透析療法は腎臓の働きの全てを補えるのではなく、赤血球を作るホルモンの分泌やビタミンDの活性化などはおこなえないため、それらを薬物治療によって補います。

血液透析

糖尿病性腎症 血液透析

血液を一度体の外に出し、透析器という装置の中を通し血液のpH(ペーハー)が中性になるように調整されます。
そして、浄化された血液を再び体内に戻します。
1回約4時間の血液透析を週3回行うのが一般的です。

腹膜透析

糖尿病性腎症 腹膜透析
出典:www.astellas.com

腹膜透析は、患者さんのお腹の中の空間(腹腔)に透析液を注入して、腹膜血液をきれいにする方法です。
これを1日数回、連続して毎日行う方法が一般的です。
在宅で行うことができ、他の臓器への負担が少ないのですが細菌感染しやすいという欠点があります。

まとめ

糖尿病性腎症 まとめ

糖尿病性腎症は2期までに発見することができれば回復が可能であると言われており進行してしまうと元の状態には戻すことができません。
症状に気づいた時にはかなり進行している病気です。

初期段階では自覚症状がないので油断は禁物です。
早期発見のためには尿中の微量アルブミンを調べる必要があるため、意識して定期的に検査を受けるようにしましょう。

最終更新日: 2016-08-08

タグ:
糖尿病性腎症 糖尿病 ネフローゼ症候群

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