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糖尿病が怖いのは血糖が高いだけではない、むしろ低血糖が怖い

糖尿病と言えば1型や2型、境界型とありますが、いずれも高血糖状態が継続することで発症する病気で、その合併症や様々な身体障害がもたらされることが脅威です。 しかし、治療を始めると新たなリスクが発生することがあります。それは低血糖です。一見矛盾する低血糖の症状や原因について詳しく解説します。

正常な状態を自分で判断する方法

糖尿病 正常な状態を自分で判断する方法
出典:yahoo.jp

血糖値は血圧と同じで食前と食後で大きく異なり、一日中刻々と変化しています。
そのため糖尿病の診断を確定するには、過去2ヶ月間の血糖の変化を総合的に判断できるHbA1c(エッチビーエーワンシー)という指標を用い、採血検査で簡単にわかります。

※2012年4月から国際標準値(NGSP)が採用されており、それより以前は日本の規格(JDS)が用いられていました、NGSP=JDS+0.4%ですので、もしJDS値で判断する場合は30をプラスするのみです。

上の図が分かりやすいのが、HbA1cの検査結果を使って体温に置き換えることができます。
たとえば、7.0%だったら36.6度と平熱、8.0%だと37.6度と熱があるというように直観的に判断することが可能となります。
だいたい6.0~7.0%程度以下が良好とされ、8.0%以上を継続的に越える状態が続くと合併症発症リスクが高まると言われています。

合併症とともに恐ろしい低血糖

糖尿病の合併症には、腎臓病(CKD)、網膜症、白内障、神経障害などがあり最悪の場合は透析、失明、下肢切断などとても怖いものがあります。
ただ早期に治療を開始すれば、そのような合併症のリスクは抑えられ最悪の事態を免れる事ができます。
そのためにも血糖値だけではなく、HbA1cを測定するようにしたいものです。

治療を開始すれば当然インスリン注射や血糖降下薬剤を使用します。
しかし、特にインスリン注射を行う1型糖尿病患者に多いのですが、いつもはしない運動をしたり食事が少なかったり、用法用量を誤ったりするなどによって、思いのほかインスリンの効果が強くなって血糖を正常範囲よりもさらに下げてしまいます。
すると、低血糖状態に陥ることが往々にしてあります。

低血糖症状

糖尿病 低血糖症状

低血糖の症状は異常な空腹感や、お酒に軽く酔った時、またはソワソワするような悪心から始まり、人によっては血糖値60~70程度で出る人や50台まで気付かない人も居ます。

放置しているとますます血糖値は下がり、冷や汗や身体の震え、動悸などが現れ始め、私の場合は血糖値40台で舌がしびれます。

もしここで何も対処しなければもっと下がり、30台以下になると意識を失ったり、暴れ出したり、異常な行動を取ったりします。
やがて昏睡状態に陥って、最悪の場合そのまま死亡する場合もある非常に恐ろしいものなのです。

交感神経と中枢神経

症状については前述したとおりですが、その仕組みについてもう少し詳しく見ていきます。
人間の脳はその唯一の活動源としてブドウ糖を必要とします。
しかし低血糖によりブドウ糖がなくなると中枢神経と脳の機能が低下します。

一方、人間には非常時の安全機能が備わっており、血糖が下がりすぎるとインスリン拮抗ホルモン(グルカゴンや副腎皮質ホルモン、成長ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン)という血糖を上げるホルモンが分泌され、肝臓からの糖放出を促進することによって交感神経が活発となり、動悸、冷や汗、震えとして現れます。

無自覚低血糖

糖尿病 無自覚低血糖

自分で気付けば対処もできるのですが、自覚がない低血糖もあります。
普通であれば空腹感や悪寒、冷や汗などの警告症状でわかるところが、その症状が現れず、知らないうちに30台以下にまで血糖が下がって急に意識を失う場合もあります。

自動車の運転をされている方などは特に注意が必要で、大事故にも繋がり命の危険もあります。

夜間低血糖

寝ている間に急激に血糖値が下がり、身体の防衛機能が働いて血糖を上げようとした結果、交感神経が優位になって睡眠障害を引き起こします。
低血糖に気付いて覚醒すれば対処できますが、深い眠りや睡眠薬の服用により気付かないケースもあり、低血糖昏睡に陥るケースもあります。

夜間低血糖を予防するには、就寝前に血糖値を測定し130~150くらいであることを確認、もし100以下だと軽い補食をして血糖が下がらないようにします。

低血糖の原因

低血糖が起こりうる要因について、以下にまとめます。

糖尿病 低血糖の原因
出典:www.club-dm.jp

食事による場合

普段よりもご飯(炭水化物)が少なかったり、速効型インスリン注射を行ってから食事を開始するまでの時間が長かったりする場合に起こります。
これは速攻型インスリンの薬効は注射後30~1時間程度で血糖値を下げてきますので、注射と食事の間が空くと、先にインスリンによる血糖降下作用が働き食事による血糖上昇が追いつかないためです。

また嘔吐や下痢症状を伴っている場合も、結果的に食事が摂れていないことになるので低血糖となりやすいですから、血糖降下薬やインスリン注射は少なめにする必要があります。

経口血糖降下剤

糖尿病 経口血糖降下剤

経口血糖降下剤については、用量を間違えて多く服用した場合は、当然ながら他剤併用(ほかの薬とともに服用すること)により互いの薬効を強めてしまう場合があります。
代表的なものとしては解熱鎮痛剤があります。
さらにお酒(アルコール)も血糖降下の薬効を強めますので、注意が必要です。

運動量による場合

食事をしっかり摂っていても、普段よりも運動量が多すぎた場合や仕事などで激しく体を動かした場合は、カロリー消費が増大するため血糖が下がります。
そのうえに血糖降下薬やインスリンの効果が上乗せされるため、普段の基本となる血糖よりも低い状態で血糖降下剤やインスリンを使うと、特に持続性インスリンでは、運動直後だけでなく夜中などの運動後かなり時間が経ってから低血糖を起こすこともあります。

たとえば普段は食前血糖値が100前後の人が日中の運動などで80まで下がっていれば、血糖降下剤やインスリンの効果によって普段よりも20低くする結果となり低血糖症状を呈する場合があると言うことです。

就寝中の低血糖(夜間低血糖:前述)は自覚しづらくとても危険なので、日頃から運動量には注意しておくことが必要となります。

インスリン注射による場合

糖尿病 インスリン注射による場合

自分でインスリン注射を行っている1型糖尿病患者に多いのですが、用量(単位数)を誤ったり、注射部位によってはたまたま血管に刺さってインスリンが直接血管内流れ込んだりした場合には、瞬く間に低血糖になってしまいます。
単位数の調節と注射部位には注意が必要です。

低血糖の予防と対処

糖尿病 低血糖の予防と対処
出典:blog.kumagaip.jp

もし低血糖症状を呈したら一刻も早く砂糖やブドウ糖を摂ること、手元にそれらがなければカロリーの高いパンなどを補食します。
ブドウ糖を摂る場合、目安としては10gが適量と言われています。

とにかく血糖を上げればよく、対処は至って簡単ですから、低血糖のリスクをお持ちの方は携帯できるブドウ糖を常に持っておくことが望ましいです。
携帯できるブドウ糖には、固形タイプ(上図)や顆粒タイプがあり、薬局で無料または安価にて入手できます。
病院で無償でもらえる場合もあります。

また「私は糖尿病です」というカード(医療機関で配布しております)を携帯することで、万一外出先で倒れても救急隊や医師が糖尿病患者だということに気付き、ブドウ糖の点滴等で対処できます。
常に携帯している財布やパスケースなどにカードを入れておくだけでも、身元を確認される時に気付いてもらえる可能性が高くなります。
糖尿病患者という事がわからないと、他の疾患を疑って無用な検査をされ手遅れになる場合も実際に起こります。

最終更新日: 2016-07-24

タグ:
糖尿病 白内障

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