1. ヘルスケア情報 >
  2. メンタル・心の悩み >
  3. うつ >
  4. うつ病(大うつ病性障害) >
  5. うつ病治療にまつわる薬の分類と名前

うつ病治療にまつわる薬の分類と名前

ストレス社会において、うつ病と診断を受け、治療を受けている患者さんが増えています。 そんな中でうつ病の治療としては現在、認知行動療法や臨床心理士によるカウンセリングなど多岐に渡りますが、基本的には投薬治療がメインとなる事が多いでしょう。 今回はうつ病治療に使用されることの多い薬剤をいくつか紹介していきます。

厚生労働省による気分障害の患者数調べによると、1996年は43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいでしたが、2000年になり2002年は71.1万人、2005年は92.4万人、2008年は104.1万人と、増加の一途を辿っています。

引用元: www.mhlw.go.jp

必ずしも抗うつ剤を使用するわけじゃない?

お薬は必要な時に必要なものだけ処方されるものです。
「薬」というと抵抗がある方も少なくないと思いますが、うつ病だからといって必ずしも抗うつ剤が使われるという事でもありません。

胃薬だって使われる事もある

うつ病(大うつ病性障害) 胃薬だって使われる事もある
出典:www.amel-di.com

例えば

●スルピリド(先発商品名:ドグマチール)

胃潰瘍や逆流性食堂炎に効く薬として広く使われています。
理由は完全には分かっていませんが、面白い事にうつ状態の改善に効果があり、うつ病治療にも広く使われているお薬です。

こうして胃薬がうつ病の薬に使われる事があると知ると、なんだか「うつ=薬=怖い」なんてイメージも和らいでくる気がしますよね。

抗うつ剤の世代別一覧

第一世代の抗うつ剤

三環境系抗うつ剤 〔※第一世代〕

うつ病(大うつ病性障害) 三環境系抗うつ剤 〔※第一世代〕
出典:pharmanet.biz

三環系抗うつ剤は一番古いタイプの抗うつ剤で、その中でもとりわけ古いものは第一世代とも呼ばれています。

気分の変調に関係する神経伝達物質のセロトニン・ノルアドレナニン・ドーパミンの再取り込みを阻害し、抑うつ状態を改善していく働きがあります。
心毒性・過沈静・口渇・便秘・尿閉などの副作用は比較的出やすいですが、うつに対する効果は比較的高いと言われています。

また、日本で最初の抗うつ剤としてこのタイプに分類される”トフラニール”が1959年に発売されており、昔から広く使われてきているという点で医師も患者としても安心感、使いやすさがあります。

効き目が出るまでに2~3週間かかるとされており、即効性は期待出来ませんが、上記の通り効果自体は高いので症状改善を期待出来ます。
同じ三環系の第一世代に分類される抗うつ剤としては以下のものがあります。

●アミトリプチリン(先発商品名:トリプタノール)
●クロミプラミン(先発商品名:アナフラニール)
●イミプラミン(先発商品名:トフラニール)
●トリミプラミン(先発商品名:スルモンチール)
●ノルトリプチリン(先発商品名:ノリトレン)

第二世代の抗うつ剤

三環系抗うつ剤 〔※第二世代〕

うつ病(大うつ病性障害) 三環系抗うつ剤 〔※第二世代〕

効果は高いが副作用も出やすい第一世代の副作用の軽減を目的に開発されたのが、同じ三環系ではありますが第二世代と呼ばれるものです。

●ロフェプラミン(先発商品名:アンプリット)
●ドスレピン三環系抗うつ剤(先発商品名:プロチアデン)
●アモキサピン(先発商品名:アモキサン)

四環系抗うつ剤 〔第二世代〕

うつ病(大うつ病性障害) 四環系抗うつ剤 〔第二世代〕

第一世代の副作用を更に軽減させようと開発された第二世代の中で、副作用は軽減されたものの抑うつに対する効果も若干弱くなってしまったのが、この四環系抗うつ剤です。

もちろん副作用が全く無いわけでもなく、便秘や排尿困難などには注意が必要で、最も特徴的なのは眠気です。

ただし臨床では逆にこの眠気を利用して、不眠傾向のあるうつ病に対して処方される事が多くなっています。
うつ病の改善に充分な睡眠・休養は大切ですから、”いい副作用”と捉える事も出来得るかもしれませんね。

また、服用開始数日~1週間ほどで効いてくる事が多く、比較的即効性が望めるお薬です。
下記の四環系抗うつ剤の特徴としては主に意欲・やる気等に関わる神経伝達物質ノルアドレナリン再取り込みを阻害し、もちろん抗うつ剤としての効果も期待出来ます。

●セチプチリン(先発商品名:テシプール)
●ミアンセリン(先発商品名:テトラミド)
●マプロチリン(先発商品名:ルジオミール)

第三世代の抗うつ剤

SSRI

うつ病(大うつ病性障害) SSRI

第二世代までの副作用を更に軽減させたのがこの第三世代です。
現在4種類が発売されている以下のSSRIは選択的にセロトニンの再取り込みを阻害するお薬で、不安感の軽減、落ち込みの改善が期待できます。

●フルボキサミン(先発商品名:ルボックス・デプロメール)
●パキロセチン(先発商品名:パキシル・パキシルCR)
●セルトラリン(先発商品名:ジェイゾロフト)
●エスシタロプラム(先発商品名:レクサプロ)

うつ病の他に不安障害・摂食障害・月経前緊張症など広く使われることがあり、副作用としては吐き気・口渇・便秘・めまい・性機能障害などがありますが、飲みなれていくと改善されていく事も多いです。
効いてくるまでには2~3週間かかります。

また、若い世代に投与した場合に「アクティベーション症候群」と呼ばれる症状が起こる場合があります。
自殺念慮・自殺企図が生じるリスクが高くなるため、24歳以下への投与を慎重に、と注意喚起されています。

初期の投与時、または増量時に起きる事が多く、急激に増量したセロトニンによる刺激を受けた結果であるといわれています。

第四世代の抗うつ剤

SNRI

うつ病(大うつ病性障害) SNRI

第三世代のSSRIが主にセロトニンにのみ作用したのに対し、この第四世代はセロトニンに加えてノルアドレンリンの再取り込みも阻害する特徴があります。

不安感の軽減、落ち込みの改善に加えて意欲、やる気の増加が期待できます。
また、下記薬剤の中でミルナシプランに関しては不安障害や慢性疼痛における鎮痛補助に用いられる場合もあります。

●ミルナシプラン(先発商品名:トレドミン)
●デュロキセチン(先発商品名:サインバルタ)
●ベンラファキシン(先発商品名:イフェクサー)

若い世代に関する注意やその他副作用に関してはSSRI同様ですが、数日~1週間くらいで効き目を感じる場合も多く、比較的即効性が望めるものです。

第五世代の抗うつ剤

NaSSA

うつ病(大うつ病性障害) NaSSA
出典:pharmanet.biz

今現在では最新の分類になるこのNaSSAはノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬というもので、取り込みを阻害するのではなく増やす、という全く新しい作用機序を持っています。

強い抗うつ作用もあるし、作用機序が違うため他の薬との併用もしやすいのが特徴です。
副作用としては眠気、口渇、便秘などが挙げられますが、これも身体が薬に慣れてくると軽減していく事が多いものです。

また数日~1週間で効いてくるなど、比較的即効性が期待できます。
副作用の眠気は少し強いので、四環系同様、不眠傾向のある方に向いているとも言え、現在日本で発売されているNaSSAは

●ミルタザピン(先発商品名:リフレックス・レメロン)

のみですが、就寝前服用となっています。

うつ病に伴う症状は様々

うつ病の症状や重篤さは人によって様々です。
うつ病だからといって、上記のような抗うつ剤を服用すればいいのだ!というものではありません。

例えば不安や焦燥感などには抗不安薬、不眠には睡眠導入剤などが併せて処方される場合もあります。
そういった飲み合わせもしっかりと主治医が考えて処方してくださいますので、あまり不安に感じる事はありません。

ただしセカンドオピニオンや、違う病院にかかる場合は服用しているお薬をしっかりと伝えましょう。

うつ病(大うつ病性障害) うつ病に伴う症状は様々

いかがでしたでしょうか。
現代のうつ病の治療には服薬治療は欠かせないものとなりつつあります。
しかしそれと併せて休養や、そもそもの発症の原因となった環境やストレスの改善、解決も大切になってきますし、まわりの方のサポートも重要です。

必要であれば家族などのサポート役となりえる人とともに診療を受けられる場合もありますから、遠慮せずに医師に相談してみましょう。

最終更新日: 2016-08-16

タグ:
うつ病(大うつ病性障害) ストレス 胃潰瘍

記事に関するお問い合わせ

「うつ病(大うつ病性障害)」に関する記事

うつ病(大うつ病性障害)についてさらに詳しく知りたいならこちらをチェック

人に会いたくない…あなた抑うつかも!?症状や治療についてのまとめ
人に会いたくない…あなた抑うつかも!?症状や治療についてのまとめ
うつ病は身近な病気!薬について知ろう!
うつ病は身近な病気!薬について知ろう!

「うつ」に関する記事

うつの記事は他にも多数!

うつ病の「診断書」とその内容について
うつ病の「診断書」とその内容について

人気の記事

ドクトルで人気の記事を集めました

人気のキーワード

今ドクトルで話題の病気の原因・検査方法・治療方法・予防方法を集めました。