1. ヘルスケア情報 >
  2. 病気・症状 >
  3. 歯や口の病気・症状 >
  4. 歯ぎしり >
  5. 【歯ぎしり治療にボトックス】話題の治療法を徹底調査

【歯ぎしり治療にボトックス】話題の治療法を徹底調査

歯ぎしりの治療と聞いてイメージするものといえば、マウスピースや矯正治療などがありますよね。しかし、近年はボトックス治療といわれる治療法もあります。一般的な治療法としてはまだ知られていない治療法です。今回はボトックス治療の概要やメリット、そしてデメリットなどについてご紹介します。

歯ぎしりによる症状は侮れない

歯ぎしり 歯ぎしりによる症状は侮れない
出典:jp.pinterest.com

歯ぎしりの原因はさまざま

上の歯と下の歯を強く噛みしめてしまう歯ぎしり
専門的には「プラキシズム」ともよばれています。
歯ぎしりは「寝ている間」と「日中起きているとき」の2つに分けられます。

アジア圏を調査した報告によれば、寝ているときの歯ぎしりは男女ともに見られ、年齢を重ねるとともに少なくなります。

子どもの約20〜30%に歯ぎしりが見られるのに対し、大人では約5~8%で、高齢の方となると約2~3%です。

「患者の歯ぎしり音の自己申告」を基にした欧米やアジア諸国での調査によると、睡眠時ブラキシズムの発生率は、小児で10~20%、成人では約5~8%、高齢者で2~3%と加齢とともに減少し、大きな性差はないことが報告されています。

引用元: www.jda.or.jp

詳しい原因は分かっていませんが、ストレス、遺伝、ある種の治療薬の服薬、アルコール、タバコ、脳の障害などの特定の病気といったさまざまな要因が関係していると言われています。

進行すると肩こりや頭痛、顎関節症の原因に!

*歯のしみ、痛み

歯ぎしりが習慣化すると歯の根の部分が組織がダメージを受け、炎症を起こして食べ物が歯にしみたり、痛くなることがあります。

また歯ぎしりによって歯に亀裂が入ることもあり、そうなると歯のしみや痛みはより強くなるケースもあります。

ひどい場合は亀裂したところから細菌が入り、神経に感染し神経が死んでしまうこともあります。

*歯の破損

感染などにより歯の神経を失ってしまうと、歯の水分量が減って割れやすくなります。
完全に割れてしまった場合は歯を抜かなければならないこともあります。
また、治療部にあるセラミック(かぶせもの)などが破損してしまうことも少なくありません。

*顎の痛み、顎関節症

歯ぎしりは、歯だけのトラブルではなくそれを支えるあごの骨、あごの関節などにも影響が出ます。

あごの関節にある軟骨がすり減ったり、変形して顎関節症(がくかんせつしょう)になることもあります。

顎関節症は口が動かしづらい、動かすと音がする、痛みが出るといった症状が見られ、食事など日常の生活に支障をきたしてしまいます。

*肩こり、頭痛

歯ぎしりが原因で肩の筋肉や頭の筋肉が緊張した状態が続き、頭痛や肩こりが出てしまいます。

歯ぎしり治療・ボトックスとは?

歯ぎしりの治療には専用のマウスピースを作ったり、矯正したり、あるいは噛み合わせをよくするエクササイズをすることがあります。

しかし最近はボトックス治療といわれる治療法があります。
今回はこのボトックス治療をメインにご紹介します。

ボツリヌス菌を利用したボトックス治療

ボトックス治療は顔のシワをとる効果や小顔効果、あるいは脚を細くするなど美容の分野でも活躍している治療法のひとつです。
ボツリヌス菌という細菌の毒素を使った治療法です。

人工的に無毒化したボツリヌス菌を顔の筋肉に注射して歯ぎしりを治そうとする治療法として注目されています。
ボツリヌス治療は歴史のある治療法で、1820年代にはじめて報告されたと言われています。

その後1980年代には本格的な治療として使われるようになり、日本ではけいれんなどの筋肉が関わる病気に対して認められる治療法となっています。

ボトックス治療のメカニズム

無毒化したものとはいえ、細菌を筋肉に注射すると聞くと少なからず不安を感じるものです。
ボツリヌス菌を使用することで、なぜ歯ぎしりの治療に応用できるのかについてみていきましょう。

私たちが筋肉を動かすとき、脳からの信号が神経を伝わり、神経の末端から筋肉に対してアセチルコリンという物質が出され、これを筋肉が受け取ることで筋肉が収縮します。

ボトックス治療はこのアセチルコリンを抑制することで、筋肉が収縮するのを抑制する作用を利用したものです。
異常な筋肉の活動を和らげることで、歯ぎしりを改善させるというのがボトックス治療のしくみということになります。

ボトックスのメリット

早ければ3ヶ月くらいで効果がある

歯ぎしりに対するボトックス治療では、主にあごの横の筋肉(食べものなどを噛むときにつかう筋肉)と、側頭部にある筋肉に注射することが一般的とされます。

治療開始後数週間で効果が見えはじめ、早ければ3〜4ヶ月で歯ぎしりの軽減が見られます。

注射後数日~数週間後で効果が整い、3~4ヵ月後まで歯ぎしりや食いしばりの程度が軽減します。
これに伴って翌朝の咬筋や側頭筋の痛みも軽減します。

引用元: homepage3.nifty.com

海外でみとめられた実績

英国の治療指針においても、このボトックス治療が「良好な反応がみられる」とされており、カナダやイタリアにおいては治療の第1選択になっています。

痙縮による,咬筋肥大を伴う開口障害に対しては,B 型毒素製剤を 用いたプラセボ対照比較試験で有効性が証明された[レベル Ib]. しかし,下顎ジストニアに対する質の高い試験成績は報告されてい ない.英国のガイドラインでは,下顎筋攣縮はボツリヌス治療に“re- spond very well”としており8),カナダ(口・下顎ジストニア),イ タリア(jaw closing dystonia)でも,ボツリヌス治療を第一選択にしてよいとしている.

引用元: www.jsnt.gr.jp

小顔の効果もある

ボトックス治療の対象であるあごの横の筋肉(食べものなどを噛むときにつかう筋肉)は咬筋(こうきん)と言います。
この筋肉は発達しすぎると、いわゆるエラが張る原因になる筋肉です。

小顔効果を狙った美容分野でのボトックス治療でもこの咬筋に注射することがあります。
すっきりとした小顔の効果が得られるという利点もあります。

ボトックスのデメリット

歯ぎしり ボトックスのデメリット
出典:jp.pinterest.com

保険が適応できない

歯ぎしりに対してのボトックス治療は保険が適応されない、自由診療となります。
そのため歯科医院・クリニックによって価格が異なります。

保険が適応される一般的な医療費とは異なり、やや高額となることもあります。

副作用が生じることもある

副作用が少ないボトックス治療ですが、まったく副作用がないわけではありません。
主な副作用として、あごやのどの筋力が低下し、呼吸がしにくい、食べものが飲み込みづらいといった症状が出ることがあります。

継続が必要となることもある

治療の効果が長く続き、再治療が必要でないケースもある一方で、効果がなくなり、歯ぎしりや食いしばりが再発するケースもあります。

その場合は再度ボトックス治療が必要となります。
また、効果が得られたとしても1回の治療では終わらず、複数回にわたる治療が必要となることもあります。

さいごに

歯ぎしり さいごに
出典:jp.pinterest.com

歯ぎしりの治療法のひとつであるボトックス治療についてご紹介しました。
国外での実績があるものの日本ではまだ保険が適応になっていない治療法です。

効果がある一方で、費用面・副作用面などのデメリットがあるのも事実。
検討されるのであれば、きちんと実績のある専門家に相談することが大切です。

参考文献

*テーマパーク8020・歯ぎしり
https://www.jda.or.jp/park/trouble/bruxism02.html#2 

*日本小児神経学会・Q15:脳性麻痺のボトックス治療について教えて下さい
http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a15.html 

*日本神経治療学会・標準的神経治療:ボツリヌス治療
https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/botulinum.pdf 

*寺岡神経内科クリニック・歯ぎしり・食いしばり・噛みしめ に対するボトックス治療について
http://homepage3.nifty.com/shinkei-naika/toothachebtx2.html 

最終更新日: 2016-09-07

タグ:
歯ぎしり う歯(虫歯) ストレス 顎関節症

記事に関するお問い合わせ

「歯や口の病気・症状」に関する記事

歯や口の病気・症状の記事は他にも多数!

ドライマウスの治療方法とは?唾液腺マッサージやガムも効果的!
ドライマウスの治療方法とは?唾液腺マッサージやガムも効果的!
歯がしみる…つらい知覚過敏の原因とは?毎日の歯磨きが原因になっているかも
歯がしみる…つらい知覚過敏の原因とは?毎日の歯磨きが原因になっているかも
喉が痛い時おすすめの薬は?【ロキソニン】【サワシリン】について解説
喉が痛い時おすすめの薬は?【ロキソニン】【サワシリン】について解説
ヘルパンギーナも引き起こす夏風邪ウイルスの正体とは?
ヘルパンギーナも引き起こす夏風邪ウイルスの正体とは?
【画像付き】北海道や東北に多いベーチェット病!遺伝するの?症状と予後のまとめ
【画像付き】北海道や東北に多いベーチェット病!遺伝するの?症状と予後のまとめ

「歯ぎしり」に関するキーワード

キーワードから記事を探す

人気の記事

ドクトルで人気の記事を集めました

人気のキーワード

今ドクトルで話題の病気の原因・検査方法・治療方法・予防方法を集めました。